野村証券のアジア地域(日本を除く)のチーフエコノミストを務めるロブ・スバラマン氏によると、人工知能とその他の新技術は将来、日本や中国、韓国など、若い労働者の不足する国や地域で広まる可能性が高い。
「人工知能やロボットなど若者の労働力不足を補う方法を受け入れない限り、国家の発展は成長の減速というリスクに直面することになる」とスバラマン氏は14日、メディアの取材に語った。
国家の成長の潜在力は、労働力と資本、生産力によって動かされる。国家の労働力の増加の減速は、生産力により多く依存して成長を維持しなければならないということを意味する。人類よりもすばやく情報処理と任務執行ができる機械の活躍するチャンスもここにある。
「日本は、AI革命が幕を開ける場所となる可能性がある。日本には人口の高齢化という問題があり、機械と人工知能によって労働力を代替しなければならないからだ」とスバラマン氏は語る。
日本の安倍晋三首相は今年3月、日本政府は人工知能を恐れていないと語った。
日本は現在、社会人口の持続的減少や人口の高齢化、経済低迷などの問題に直面している。安倍首相は、人工知能は日本の経済成長を促進できるとの認識を示している。
ソフトバングなどの日本の大企業も現在、ロボットの生産に乗り出している。日本は、ロボットの発展をリードする国となる見通しだ。
日本の内閣府が8月14日に発表した国内総生産(GDP)の初期データによると、2017年第2四半期(4-6月)の日本のGDPは年率換算で4%増となり、2015年第1四半期(1-3月)以来の最高の成長率を記録した。
「今後起こらなければならないのはこういう事だ」とスバラマン氏は語る。
AIが失業の波をもたらすことは事実だ。だがこれと同時に、新たな産業と雇用機会も生まれる。AIの開発やメンテナンスを担当する人才チーム、新型ビジネスの運営や管理を行うマーケティング担当者などだ。またこれによって、自動運転車両を管理する交通管制員や包装 倉庫ロボットと協力する物流人員など新たな職種も生まれる。
「政府がやらなければならないのは、労働者をもう一度訓練し、新たな就業機会を得るのに必要な技能を身につけさせることだ」。スバラマン氏は、政府は未来を見据え、労働者の再訓練という角度から出発し、労働力の流動を奨励し、より多くの財政予算をこの分野に割り当てる必要があると指摘する。
プライスウォーターハウスクーパースが今年6月に発表した報告によると、人工知能技術は「第4次産業革命」と呼ばれ、生産率を高め、消費を促進し、GDP成長を加速することができる。同社の推測によると、人工知能は2030年までに世界のGDP成長の14%を牽引することになる。世界にもたらされる経済成長は15兆7千億ドルに達し、中国とインドの現在のGDPの和を超える規模となる。中国もその時には、人工知能(AI)によってもたらされる最大の経済効果を得ることとなる。
(チャイナネット)
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