上海で集まってゲームをする、陰陽師のキャラクターに扮したコスプレイヤーら。
中国では現在、二次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)エコノミーが急成長中で、以前は一部の人に好まれる文化だったものが今は主流文化へと変化している。中国新聞網が報じた。
ピザハットと、中国のIT大手網易傘下の「網易移動遊戯」が運営するモバイルゲーム「陰陽師」がこのほど、業界を超えて提携。上海や北京、杭州、成都、西安、深セン、広州、鄭州などの都市のピザハット1700店舗で、「陰陽師」を背景にしたテーマレストランを展開している。
ピザハットは若い消費者が集まる地域をチョイスし、テーマレストランを打ち出し、それに合わせて「陰陽師」関連のメニューも用意した。さらに、人気コスプレイヤーを招き、90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)を呼び込んでいる。
アニメやオンラインゲームが今年の夏、各企業にとっての「金のなる木」となり、「二次元エコノミー」というビッグウェーブに乗って一稼ぎしている。
陰陽師のキャラクターに扮してピザを運ぶピザハットの店員。
また、中国の旅行市場も、その特徴を生かすと同時に、市場のニーズに合わせようと努めており、「二次元」をテーマにした観光地が急成長している。
中国の上海ディズニーランドや杭州ハローキティテーマパーク、常州ウォークラフトテーマパークなども「二次元」をテーマにした新たな観光地。中国国産アニメ、ゲームが成長するにつれ、業界関係者は、「中国の二次元観光経済の急速な発展を牽引する」と断言している。
また、元祖「二次元」である日本も、その資源が最も豊富な海外旅行先となっている。そして、その魅力がさらに掘り起こされており、さらに多くの中国の90後、00後にとって魅力ある場所となっている。
人気アニメ「スラムダンク」のオープニングシーンに登場する場所として人気の鎌倉高校前駅や中国のネット上で大人気のゆるキャラ「くまモン」がPRする熊本県など、「二次元」文化の盛り上がりの影響を受けて人気になる日本の観光スポットは増加しており、中国の90後や00後の間で好評を博している。
中国の大手旅行情報サイト 螞蜂窩がこのほど発表した90後の旅行スタイルに関する研究報告のビッグデータによると、現在、中国の90後の42%が アニメや映画、ドラマなどの聖地巡礼に行くことを好んでいる。報告によると、90後にとって「旅行」は普通の事となっており、旅行を生活においてありふれたものだと見なす90後が増加している。そのため、90後が旅行に出かける理由も、一層自由気ままなものとなっている。
螞蜂窩旅游研究センターの責任者 馮饒さんは取材に対して、「旅行が普通のこととなってきている今、90後らが旅行先を選ぶ理由も増えている。二次元文化の流行は、二次元旅行の人気に拍車をかける直接的要因で、二次元と関連付けた旅行先やテーマは、90後にとって大きな魅力となる」と分析している。
(人民網日本語版)
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