蘭州大学大気科学学院の黄建平教授によると、「ここ100年の間に、世界の乾燥地域と半乾燥地域の気温の上昇は湿潤地域よりも20-40%早いペースで進んだものの、二酸化炭素の排出量は湿潤地域の約30%にとどまった。世界の気温が2度上昇すると、乾燥地域と半乾燥地域は、トウモロコシの収穫量が減少したり、地表流出量が減少したり、乾燥が進んだり、マラリアが流行したりすることになる」という。貧しく発展が遅れている乾燥地域と半乾燥地域から排出される温室効果ガスは非常に少ないものの、そこで起きる気候災害は高温室効果ガスの排出が多い湿潤地域の先進国より深刻なものとなる。世界の温暖化による乾燥地域と半乾燥地域に対する深刻な影響を抑制するためには、世界の平均気温上昇を1.5度未満に抑えなければならず、先進国がより多くの責任を負う義務がある。上記の成果は24日発売の気候変動に関する研究論文を掲載する月刊誌「Nature Climate Change」に掲載された。光明日報が報じた。
2016年4月、170ヶ国以上が、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」に署名した。同協定は、各国が気候変動の脅威に対する対策を強化し、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑え、さらに、平均気温上昇「1.5度未満」を目指すとした。ただし、2度というのは世界の平均気温で、各地域における適用性については今後の研究が待たれている。黄教授は、「パリ協定が定める平均気温上昇『2度未満』というのは湿潤地域にあてはまるものの、乾燥地域と半乾燥地域は依然として温暖化の大きなリスクを受ける。世界の平均気温上昇を『1.5度未満』にすれば、乾燥地域と半乾燥地域が直面する可能性のある災害の規模をかなり抑えることができる」との見方を示す。
(人民網日本語版)
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