人民日報の取材を受ける林毅夫氏(撮影:全亜軍)
中国人民政治協商会議委員で北京大学国家発展研究院の名誉院長でもある著名な経済学者の林毅夫氏は、このほど取材に対し、「2017年の政府活動報告の最大の注目点はある種の信頼感を浮き彫りにしたことで、報告で言及された6.5%前後という成長率目標は達成できるものと確信する」と述べた。
林氏は、「中国は目下、世界や国内からの多くの課題に直面しているが政府活動報告の中に延べられているように、中国国民には課題に対処するための勇気があり、知恵があり、能力があり、中国経済には潜在力があり、優位性があり、強靱さがあるため、政府活動報告で言及された6.5%前後の成長という目標は達成できるものと確信する。この目標を達成することの意義は、中国が世界で発展ペースの最も速い国の1つになり、毎年世界経済成長への寄与度が30%を超えるということだ」と述べた。
林氏は2012年の段階で、中国には08年からの20年間、毎年平均8%の成長を遂げる潜在力があるとの見方を示していた。ここ数年は経済の「ペースダウン」に直面し、多くの人が林氏の見方に疑問の声を挙げている。林氏はこれについて、「潜在力と実際の成長との間には開きがある。同じ種類の木でも育ちぶりに高い低いの違いがあるようなもので、日当たりや養分などの条件がよければ、潜在力は発揮されるし、条件が悪ければ大きく育たない」と述べた。
人民日報の林毅夫氏のインタビュー動画のキャプチャー画像
また林氏は「経済成長は労働力の生産レベルの継続的な向上に依拠するもので、そのためには技術の刷新や産業のバージョンアップが必要だ。中国は先進国とはまだ大きな開きがあるため、技術刷新と産業バージョンアップでは後発組の優位性をもっている。そして中国と同じくらいの発展段階にあり、同じように後発組の優位性をもつその他一連の国々は、20年間で毎年8~9%の成長を達成していることからも、中国にもその可能性は大いにある。だが08年に国際金融危機が発生し、グローバル経済の復興の遅延が影響を及ぼし、中国の経済成長の潜在力が十分には発揮されていない」と説明した。
林氏は、「自分の判断はいずれも問題の本質に対する分析に基づいている。悲観論者が多い中で、私のことを楽観的だという人がいるが、私は客観的なだけだ」と述べた。
(人民網日本語版)
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