新華網北京2月15日(記者/白国龍)最近、日本の福島原子力発電所の放射線モニタの指示値上昇やフランスの原子力発電所の風力機器爆発などに関するニュースが再び人々に原子力安全への関心を誘発している。国防科工局の副局長で国家原子力機構の副主任である王毅韌氏は先日新華社記者のインタビューに応じ、中国が原子力をいかに安全で効率的に利用するか、そして「第13次五カ年」規画期間中の原子力工業の発展にどんな注目点があるかに対して解説を行った。
「宇宙空間における原子力」が「第13次五カ年」規画に組み入れられる 「中国が内陸部に原子力発電所を建設するのは必然的」
王毅韌副局長は、「計画に基づき、『第13次五カ年』規画の期間中、中国はいくつかの重要なプロジェクトを実施し、原子力科学技術の進歩を推進し、モデル的な高速増殖炉(FBR)を代表する先進的な原子力システム・プロジェクト、使用済み核燃料の再処理に関する科学研究プロジェクト、宇宙空間における原子力科学技術のモデル・プロジェクトといったいくつかの重要なプロジェクトを実施して、中国の原子力工業の飛躍的発展を長年にわたって制約してきたボトルネックや弱点を解決していく。」と記者に語った。
中国が内陸地域に原子力発電所を建設することに対し、以前はその安全性について懸念を示す人がいた。王毅韌副局長は「心配する気持ちは分かるが、原子力工業にはやはりより高い安全基準が必要だが、世界の原子力発電所の発展の歴史を見渡すと、ほとんどの原子力発電所は内陸部に建設され、ごく一部が沿海部に建設されており、沿海部に建てられたから安全で、内陸部に建てられたから安全ではないといった状況は存在しない。長期的に見ると、中国が内陸部に原子力発電所を建設するのは必然的なことだ。」と語った。
海上浮動式の原子力発電所の建設は 独自のものに頼るとともに協力をはかる
海上浮動式の原子力発電所は海上浮動式原子力プラットフォームとも呼ばれ、中国の海上油井や島の電力使用問題を解決することができ、中国の遠洋でのオイルガス資源採掘や水上艦船における原子力技術の発展の推進にとって重要な意義を持つ。
王毅韌副局長は次のように語った。「前期において、我々は業界の権威ある専門家を組織して多くの論証を行い、成熟した技術を改良する方案を採用し、海上浮動式原子力プラットフォームの建設を確定した。現在、中国は海上浮動式原子力プラットフォームの基準・規範に関する研究をすでに先行して展開し、全体的な設計及び安全技術、重要な設備の設計や実験及び補修技術の運用などの重要な技術の難関攻略を重点的に支援している。」
使用済み核燃料の後処理に関する技術難関の攻略を強化し 核燃料サイクルの最終段階の弱点を補充する
王毅韌副局長は次のように語った。使用済み核燃料の後処理や生産能力の面で、中国は『3段階に分ける(三歩走)』計画を制定している。第一に、毎年60トン規模の後処理中間試験工場を建設することで、現在すでに達成している。第二に、毎年200トン規模の核燃料の後処理モデル工場の建設を成し遂げること。第三に、毎年800トンの工業規模を持つ後処理能力を実現させること。大規模な後処理技術を自主的に把握する前に、中国はフランスと協力して、800トン級の後処理工場1基を建設する計画だ。
王毅韌副局長は、2つの五カ年規画を通じて、中国の使用済み核燃料の再処理問題は適切に解決されるだろうとの見方を示した。
原子力発電の安全で高効果の発展は、環境汚染を軽減するための必然的な選択
経済協力開発機構(OECD)及び国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までに、全世界の原子力発電量は現在よりも倍増し、その割合は世界の総発電量の17%に達するとの予測を共同で発表した。
王毅韌副局長は次のように説明した。新エネルギーの発展は今後の持続可能な発展を実現するための必然の成り行きで、気候変動に対応し、エネルギー構造を改善し、環境汚染を軽減するための必然的な選択でもある。原子力発電は低炭素エネルギーで、新エネルギーの重要な一部分であり、中国の将来的なエネルギーの持続可能な発展の重要な基盤でもある。
「第13次五カ年」規画期間に、中国の原子力発電量と建設中の設備容量は8,800万kwに達する。我々は原子力の安全性と緊急時の対応システムを改善、原子力の安全保障の全体的な能力を向上させ、ウラン資源と核燃料の供給を保証し、使用済み核燃料及び放射性廃棄物管理を強化することに重点を置いて解決を図り、原子力の安全を保証し、ウラン資源を確保し、原子力の安全保障の能力を高め、核廃棄物の廃棄場所を配備し、原子力発電の安全で高効果の発展を実現する。
(新華社より)
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