新華網合肥2月14日(記者/徐海涛)今から約2億5,200万年前の二畳紀末期に、地球では史上で最も大規模な生命の死滅の危機が起こり、海洋の80%を超える生物及び大量の陸地生物が死滅した。
中国科学技術大学の沈延安教授の課題チームはこのほど、研究を通じて当時は深海に多く含まれる猛毒ガスの硫化水素が大量に湧き上がり、浅海の酸素を豊富に含む海水と「激しく混合」したことがこ原因だという見解を示した。国際的な学術雑誌『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)でこのほど、同研究成果を発表した。
沈延安教授の課題チームは二畳紀から三畳紀までの深海沈殿物の研究を行われ、彼らはカナダと日本に保管されたサンプルを収集し、二畳紀から三畳紀までの深海沈殿物の多硫化物の同位体構成が現代の海洋の海底沈殿物と根本的に異なることを発見したという。
この発見は、当時の古代の海洋の深海に硫化水素が多く含まれ、浅海の海水に酸素が豊富に含まれたことを表わしている。さらに重要なことは、多硫化物の同位体構成の異常が二畳紀末に生命が大規模に死滅した時期と高度に一致したことで、深海の硫化水素を豊富に含む海水と浅海の酸素を多く含む海水がこの時期に「激しく混合」したことを示している。
この論文の一人目の作者で、中国科学技術大学ポストドクター、張桂潔氏が「硫化水素は卵のような臭いがする猛毒ガスで、これが激しく混合して二畳紀末の大規模な生命の死滅を引き起こした。」と説明し、また、類似する多硫化物の同位体の異常がその後に生命が緩やかに復活していく過程でも発生しており、大規模な死滅が起こった後に、この激しい混合が間隔を置いて発生したことを表わしていると説明した。
「深海と浅海の海水の対流が持続的に発生したもので、二畳紀末期に深海で大量の硫化水素が発生した原因は、当時の海洋環境の変化によって硫酸塩の復元条件が整い、硫化水素が生成されたことによる。」と沈延安教授は述べた。沈延安教授は、更に、たとえ、現代であっても、硫化水素を多く含む海水がナミビアの漁業経済に深刻な打撃を与え、メキシコ湾、米国カリフォルニア州、インドの浅海で、硫化水素を含む海水が発見されている。この成果は現代の気候環境の変化及びその対策の研究に役立てることができると述べた。
(新華社より)
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