最近、日本政府の「外交的視線」は複雑に入り組み、必死になって「友人を得よう」としているが、心中自信を欠いている。(人民日報「鐘声」国際論評)
まず日本は韓国と競い合ったが、少なからず挫折感を味わった。在釜山日本総領事館前の「平和の碑」少女像に抗議するため、駐韓大使と駐釜山総領事を一時帰国させた。この行動を日本の主流メディアは「性急に過ぎ、冷静さを欠く」と批判された。続いて、安倍晋三首相がフィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムを訪問し、東南アジアカ国に仰々しく「大きな手みやげ」を送り、各国を抱き込んで中国を牽制し、南中国海問題に介入しようと企てた。だが、これは徒労に終るというのが国際世論の一致した考えだ。そして今、日本政府は米新政権と早急に会い、米日同盟強化について「安心を得る」ことを待ち望んでいる。だが、米新政権は将来日本にどれほどの義務を要求するだろうか?答えは待たれ、日本側は心中気が気ではない。
一連の繁雑な現象からは、日本の政治家に常にある表に出せない「外交上の心のわだかまり」が難なく見てとれる。AP通信は、トランプ政権の外交の方向性が予測困難なため、安倍首相の行動は東南アジア諸国を指導して共同で中国に対抗することを望むものになると指摘した。シンガポール紙「聯合早報」は、安倍氏の今回の外遊は堅固な「中国包囲網」を築くためのものだと指摘した。フィリピンは今年のASEAN議長国、ベトナムは今年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)議長国であることから、日本の毎日新聞は安倍首相の東南アジア訪問について、南中国海問題を再び取り上げることを始め、今年の多国間の場で討論する議題を主導する意図があると指摘した。
数百億ドルの借款の約束、数10億ドルの大型投資、巡視船さらにはミサイルの供与。安倍首相の「大きな手みやげ」の中には、実は南中国海情勢を激化させる「信管」がひそんでいる。安倍首相の出発前、日本メディアはいわゆる「南中国海の争い」と「中国の脅威」を誇張し始めた。フィリピンのドゥテルテ大統領との会談後、安倍首相は待ちきれない様子で記者会見で「南中国海問題は地域の平和と安定に直接関係する、国際社会全体の懸念」などとぶち上げて、意図的に誇張した。
だが、もめ事を引き起こす日本側の挙動が「自己満足」に過ぎないことは誰の目にも明らかだ。中国と東南アジア各国は最近すでに南中国海問題について多くの共通認識にいたり、南中国海情勢は安定と好転へと向かい、対話と協議による解決という正しい道へと戻っている。中越双方は少し前に共同声明を発表し、南中国海をめぐる溝を管理・コントロールすることで合意したと表明した。フィリピンのドゥテルテ大統領は、南中国海問題で引き続き中国と直接対話を行うとも指摘した。日本側の様々な離間行動が、東南アジア各国を惑わす目的を達することは全くできない。こうした国々は、協議による解決こそが各国の利益に真に合致すると分かっているからだ。
国家間の関係を発展させ、真に友情を結ぶのは、一体何によるものか?この問題について、日本の現政権は久しく途方に暮れているようだ。正しい態度で歴史問題を扱おうとせず、周辺国との関係発展に障害をもたらしていることが、その際立った表れだ。政治的謀という「心の悪魔」を帯びて経済協力を語るのは、実際には地域の安定を損なう事だ。挑発と離間、自国の利益のみ考えて他国の迷惑を顧みない日本指導者の慣れた手口は、アジア各国及び国際社会の信頼を得られない運命にあり、長期的に見ても日本自身の安全とアジア太平洋の平和を守るのは困難だ。
仁に親しみ隣に善くし、誠意をもって接する。これは国と国のしかるべき付き合いの道だ。対抗はアジア及び世界の発展の主流ではないし、そうあるべきでもない。もしこうした道理と現実を受け入れられず、アジア各国と共に誠心誠意協力を図り、共に発展を促進することができないのなら、日本が地域の大家族の中で真に歓迎されることはあり得ず、「友人を得る」道において不安で気が気でない悪循環から脱することは不可能だ。
(人民網日本語版)
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