中国には昔から「正月より冬至」という言い方がある。冬至が来て、旧暦の12月8日(臘八)になると、正月用品の売上がピークを迎え、勢いは旧暦1月15日(元宵)まで続き、「正月用品経済」はひたすら上昇ムードになる。
中国の年中行事は変わらないが、「正月用品経済」は変化している。市場と消費モデルが変化したその背景には、どのような経済の変遷があるのか。正月用品経済はなぜ消費の新しい動力を喚起するのだろうか。
▽正月用品が人気 ムードを重視する消費が集中的に発揮される
臘八が終わると、年越しムードがますます濃厚になってくる。
湖北省十堰市の新春を迎える正月用品祭りと第3回秦巴片区農産品 特産品取引博覧会がこのほど行われ、4日間の会期中、有名特産品の売上は2900万元(約4億7752万円)を超えた。出展企業によると、「販売量は少なくとも普段の3倍」という。
天津社会科学院の王来華教授は、「正月用品をそろえるのは中国人にしみこんだ複雑で特殊な感情に基づく消費行動だ。人によって何を選ぶかは違うが、『精神的』消費に傾く傾向があることには例外がない」と指摘する。
2016年に正月用品市場に進出した通信販売業界は、ますます多くの人の間で、特に若年層の間で人気を集めている。今年はアリババ(阿里巴巴)、京東、蘇寧などが臘八から春節(旧正月、今年は1月28日)まで、正月用品をテーマにしたイベントやキャンペーンなどを相次ぎ打ち出している。