中国で全国統一炭素取引市場の運営開始が間近に迫っている。
先ごろ開かれた「2016中国炭素市場ハイレベルフォーラム」で中国国家発展改革委員会(発改委)気候変動対策司の蒋兆理副司長は、全国統一炭素取引市場の排出枠割り当てに基準線法(前年度実績や生産能力などに基づく計算方法)を用い、排出削減を後押しする政策手段を行政指導型、財政・税制支援型から市場型へと変える必要があるとの見解を示した。
専門家は、中国が世界最大の炭素取引市場になると予測している。海通証券の研究員を務める牛品氏は、現在の炭素取引市場が全体的に価格も取引量も低水準にとどまっているため、将来的に巨大な成長余地があり、毎年1000億元規模の成長が期待できると分析した。
全国統一炭素取引市場は2017年に運営が開始される予定で、炭素排出権の総量と排出枠割り当ての方法が注目されている。蒋兆理副司長は、炭素排出枠割り当ての方法について、「主に基準線法を使うことになり、単位製品の排出量が基準を満たせば生産増に伴って割り当ても大きくなる。一方、基準を満たさない企業は投資を拡大して排出量の基準を満たす必要があり、それが出来なければ製品を生産するたびに市場で炭素排出権を購入するか、市場から撤退するしかなくなる」と説明した。
清華大学エネルギー環境経済研究所の張希良氏は、全国統一炭素取引市場の排出枠総量を定める際にいくつかの原則を守る必要があるとの見方を示した。具体的には、対象産業を出来るだけ広くすること、企業の参入障壁を出来るだけ低くすること、炭素強度の低下率を全国平均以上とすること、経済に及ぼすネガティブな影響を極力避けること、対象産業の経済活動に影響を及ばせないことなどを挙げている。排出枠の無償割り当てを基本とし、総量設定の目標に合致させる必要があると指摘した。
(チャイナネット)
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