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日本の中国人労働者に対する複雑な心理
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-11-28 10:42:17 | チャイナネット | 編集: 吴寒冰

 海外メディアによると、日本の安倍晋三首相官邸のスタッフは先ごろ、日本の労働力が次第に減少する状況に対応するため、さらに多くの外国人労働者を引き込む議案を提出する計画を明らかにした。この動きは、日本の人口に対する懸念を改めて示している。人口減少と急速な高齢化は、厳しい労働力不足を引き起こしており、特に建設業でそれが顕著だ。

 日本人は建設業を3K(汚い、危険、きつい)産業と呼んで作業条件の厳しさを形容しており、こうした考え方は業界の労働力不足を加速させた。日本の若者がこの産業に携わろうとしないなか、試算によると、向こう数年にわたり全国で2万5000人を超える建設作業員が必要になるという。

 国内の労働力では需要を満たすことができないため、建設会社の多くは海外の労働市場に目を向けて不足を補っており、その大部分を占めるのは中国から来る労働者だ。日本は原則、低技能の臨時労働者を受け入れておらず、移民当局も、低技能作業に従事する外国人労働者に対しては就労ビザを発行しない。日本の企業は技能実習制度を利用するかたちで労働者を雇う。この制度は外国の技術訓練者(研修生とも呼ぶ)が製造業、農業、建設業界で短期間の「研修」を受けることを許可している。それによると、外国人は期限3年の技能実習ビザの取得が可能となる。なかには外国人を「奴隷労働者」とみなして過酷に搾取する道具にしているだけと批判する人もいるが、それでも多くの日本企業は依然としてこの制度を利用し、海外から廉価な労働者を雇い続けている。以上が、日本の外交専門家による説明だ。

 労働力不足を解決する方法の一つは、外国人労働者を正社員として雇うこと。正社員なら長期にわたって安定した就業の保障が得られ、企業は労働者に月給とボーナスのほか、医療・保健、年金、失業保険を含む福利厚生を与える。仕事を保障してもらう正社員の労働者は、他の雇用形態の労働者よりも多くの責任と義務を担い、真剣に仕事へ取り組むことと会社への忠誠を求められる。

 日本人と外国人の労働者はどちらもこのような職位の調整で利益を得られるだろうが、日本が経済成長を維持するために外国人労働者へ門を開くというやり方は大きな試練を迎えた。周知の通り日本人は、自身に対する独特の認識と文化の同質性を誇りとしており、文化の独自性を追い求めるなかで先例を守る雰囲気は、政策決定者を困らせている。異なる文化や風習を認めるために日本社会は大きく変わらなければならない。この問題を解決するために日本は多様な政策を講じ、外国人労働者が搾取されないようにその権利を守る必要がある。しかし、今のところ、日本政府が外国人労働者受け入れ政策を施行する準備を整えたかは定かでない。

 日本の建設会社マネージャーと中国人労働者への取材を通じて明らかとなったのは、外国人労働者が直面する主な試練は日本文化に溶け込むことだ。日本は単一言語、単一文化で、日本社会も外国の異文化を受け入れようとしないため、溶け込むことは非常に複雑な作業となる。  ところが日本人は、外国人が日本文化に溶け込むことを望んでいるようで、外国人労働者の行動が「日本式」と合わなかったりすると、すぐに注意する。外国人労働者が多くの面で日本人のスタンダードを求められているのは隠れた事実であり、日本人は多様な文化への理解と尊重が欠けている。例えば、中国人労働者は言語・文化・習慣が日本人と異なるため、彼らが日本社会に完全に溶け込むのは無理だろう。

 さらに言うと、日本人は外国人労働者への信頼感が欠如している。建設請負会社が、建設現場の一部職種に外国人労働者を使わないと契約書に明記するのは、日本人マネージャーが外国人労働者の施工能力を日本人より劣るとみなしているからだろう。

 不幸なのは、こうした外国人労働者に対する偏見が仕事の環境に悪影響を及ぼしていることだ。日本人労働者の多くは、外国人労働者が最終的に自分のライバルになることを恐れている。例を挙げると、日本人の職人は熟練技能を有する外国人労働者に相応しい仕事をさせない。こうした競争を恐れる気持ちが、外国人労働者に対する低レベルで低技能な仕事の要求へとつながった。中国人労働者は取材に対し、この状況に対する残念な思いを打ち明け、彼らが6カ月もすれば仕事への興味を失ってしまうといい、多くのことを学びたいと切実に望んでいるにもかかわらず、そのチャンスが無いと説明した。

 外国人労働者の問題は現在、日本が直面する最も厳しい問題の一つ。政策決定者は、出生率の低下と労働力不足による社会問題の解決を図っている。古くからの社会風習と価値観を変えるのは非常に難しいが、今こそ外国人労働者をめぐる問題への考え方を日本企業と社会が改める時だ。法整備や制度制定を通じて文化の多様性に対応し、外国人労働者が長期にわたり日本に貢献できる環境を作らなければならない。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

日本の中国人労働者に対する複雑な心理

新華網日本語 2016-11-28 10:42:17

 海外メディアによると、日本の安倍晋三首相官邸のスタッフは先ごろ、日本の労働力が次第に減少する状況に対応するため、さらに多くの外国人労働者を引き込む議案を提出する計画を明らかにした。この動きは、日本の人口に対する懸念を改めて示している。人口減少と急速な高齢化は、厳しい労働力不足を引き起こしており、特に建設業でそれが顕著だ。

 日本人は建設業を3K(汚い、危険、きつい)産業と呼んで作業条件の厳しさを形容しており、こうした考え方は業界の労働力不足を加速させた。日本の若者がこの産業に携わろうとしないなか、試算によると、向こう数年にわたり全国で2万5000人を超える建設作業員が必要になるという。

 国内の労働力では需要を満たすことができないため、建設会社の多くは海外の労働市場に目を向けて不足を補っており、その大部分を占めるのは中国から来る労働者だ。日本は原則、低技能の臨時労働者を受け入れておらず、移民当局も、低技能作業に従事する外国人労働者に対しては就労ビザを発行しない。日本の企業は技能実習制度を利用するかたちで労働者を雇う。この制度は外国の技術訓練者(研修生とも呼ぶ)が製造業、農業、建設業界で短期間の「研修」を受けることを許可している。それによると、外国人は期限3年の技能実習ビザの取得が可能となる。なかには外国人を「奴隷労働者」とみなして過酷に搾取する道具にしているだけと批判する人もいるが、それでも多くの日本企業は依然としてこの制度を利用し、海外から廉価な労働者を雇い続けている。以上が、日本の外交専門家による説明だ。

 労働力不足を解決する方法の一つは、外国人労働者を正社員として雇うこと。正社員なら長期にわたって安定した就業の保障が得られ、企業は労働者に月給とボーナスのほか、医療・保健、年金、失業保険を含む福利厚生を与える。仕事を保障してもらう正社員の労働者は、他の雇用形態の労働者よりも多くの責任と義務を担い、真剣に仕事へ取り組むことと会社への忠誠を求められる。

 日本人と外国人の労働者はどちらもこのような職位の調整で利益を得られるだろうが、日本が経済成長を維持するために外国人労働者へ門を開くというやり方は大きな試練を迎えた。周知の通り日本人は、自身に対する独特の認識と文化の同質性を誇りとしており、文化の独自性を追い求めるなかで先例を守る雰囲気は、政策決定者を困らせている。異なる文化や風習を認めるために日本社会は大きく変わらなければならない。この問題を解決するために日本は多様な政策を講じ、外国人労働者が搾取されないようにその権利を守る必要がある。しかし、今のところ、日本政府が外国人労働者受け入れ政策を施行する準備を整えたかは定かでない。

 日本の建設会社マネージャーと中国人労働者への取材を通じて明らかとなったのは、外国人労働者が直面する主な試練は日本文化に溶け込むことだ。日本は単一言語、単一文化で、日本社会も外国の異文化を受け入れようとしないため、溶け込むことは非常に複雑な作業となる。  ところが日本人は、外国人が日本文化に溶け込むことを望んでいるようで、外国人労働者の行動が「日本式」と合わなかったりすると、すぐに注意する。外国人労働者が多くの面で日本人のスタンダードを求められているのは隠れた事実であり、日本人は多様な文化への理解と尊重が欠けている。例えば、中国人労働者は言語・文化・習慣が日本人と異なるため、彼らが日本社会に完全に溶け込むのは無理だろう。

 さらに言うと、日本人は外国人労働者への信頼感が欠如している。建設請負会社が、建設現場の一部職種に外国人労働者を使わないと契約書に明記するのは、日本人マネージャーが外国人労働者の施工能力を日本人より劣るとみなしているからだろう。

 不幸なのは、こうした外国人労働者に対する偏見が仕事の環境に悪影響を及ぼしていることだ。日本人労働者の多くは、外国人労働者が最終的に自分のライバルになることを恐れている。例を挙げると、日本人の職人は熟練技能を有する外国人労働者に相応しい仕事をさせない。こうした競争を恐れる気持ちが、外国人労働者に対する低レベルで低技能な仕事の要求へとつながった。中国人労働者は取材に対し、この状況に対する残念な思いを打ち明け、彼らが6カ月もすれば仕事への興味を失ってしまうといい、多くのことを学びたいと切実に望んでいるにもかかわらず、そのチャンスが無いと説明した。

 外国人労働者の問題は現在、日本が直面する最も厳しい問題の一つ。政策決定者は、出生率の低下と労働力不足による社会問題の解決を図っている。古くからの社会風習と価値観を変えるのは非常に難しいが、今こそ外国人労働者をめぐる問題への考え方を日本企業と社会が改める時だ。法整備や制度制定を通じて文化の多様性に対応し、外国人労働者が長期にわたり日本に貢献できる環境を作らなければならない。

 

(チャイナネット)

 

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