天気の変化の根本的な原因は、遠方にある場合が多い。気象専門家は、様々な監視測定データに基づき、今年の冬、中国は厳しい寒さに見舞われるという判断を下した。その根拠は、はるかかなたの北極における融氷の変化と、中・東太平洋赤道域で発生する「ラニーニャ現象」にあるという。新華社が報じた。
国家海洋環境予報センター海洋気候予測室気候予測チームの隋翠娟リーダーは、「北極海の海氷は、気候システムの中でも重要な構成要素であり、太陽光反射率による水蒸気のフィードバックは、大気の流れの変化に影響する。北極海の海氷融解は、中国の気候変化にも影響する。現在の北極海の海氷融解状況から見て、2016年/2017年の冬は、中国では寒さが厳しくなるだろう」と指摘した。
このほか、中・東太平洋赤道域では、8月にラニーニャ現象が生じ、それまで非常に強かったエルニーニョ現象に取って替わった。監視測定データによると、ラニーニャ現象は冬まで続き、中国の今冬の気温に大きな影響を及ぼす見込み。
ラニーニャ現象とは、中・東太平洋赤道域の海面温度が異常に低くなる現象を指し、ある程度はエルニーニョ現象とは反対の現象だといえる。海面温度の異常が、大気の流れに異常をもたらし、地球の気候に影響を及ぼす。今のところ、中・東太平洋赤道域全体でラニーニャ現象が起こっており、12月には弱~中程度のラニーニャ現象が再び発生すると予想されている。ラニーニャ現象の継続や発生によって、中国では、冬に厳しい寒さが訪れる傾向が高い。
国家気候センター気候監視測定室正研究員級シニアエンジニア・首席専門家の周兵氏は、地球全体の気候について、「観測史上、ラニーニャ現象は14回起こっており、ラニーニャ現象が起きると、厳冬になる確率は7割以上に上ることから、ラニーニャ現象が発生した冬は厳冬になると基本的にいえるだろう」とコメントした。
中国工程院の丁一匯・院士は、「今年の冬は、例年と比べて寒くなるだろう。さらに、来年以降の冬は一層寒さが厳しくなる可能性がある」との見通しを示した。
中国科学院大気物理研究所の鄭飛・研究員は、「一般的に言えば、『ラニーニャの年』は、中国北方ではかなり冷たい大気が活発に活動すると予想される」と指摘した。
気象専門家は、「気温が下がると、石炭・電気・ガスなどのエネルギー消費が増え、交通機関や北方の畜産業にも影響が及ぶ。厳冬への備えを万全にしておかなければならない」と注意を促している。
(人民網日本語版)
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