メディア報道によると、中国で最初のゴミ分別処理試行都市の一つである北京は、すでに16年にわたってゴミ分別を行っているが、その現状は楽観できるものではない。このニュースを聞いて、日本のゴミ分別に思いが至った。
日本は、ゴミ分別が厳しく行われている国だ。日本に住んでいる外国人は、近所の日本人に受け入れられるには、日本式の礼儀だけでなく、正しいゴミの捨て方も学ばなければならない。例えば、私の住んでいる地域では、ゴミ捨てにこのような規定がある。可燃の生活ゴミの日は毎週2回。瓶や缶、新聞紙、衣類、牛乳パックなどの資源ゴミは毎月2回。さらに家具などの粗大ゴミ、鍋や皿などの不燃ゴミ、使用済み電池などの危険ゴミを捨てる曜日がそれぞれ決められている。ゴミを捨てる日が来ると、それぞれの家の前には、まるまるとふくらんだ透明または半透明のゴミ袋が積み上げられる。手が付けられないカラスがゴミを散らかしてしまわないよう、ゴミ袋の周囲は黄色または緑色の網で覆われ、まさに壮観である。
日本のゴミ分別は、20世紀の高度経済成長期に始まった。当時、経済の急成長に伴い、豊かな物質生活が大量の生産・生活ゴミをもたらしていた。日本環境省はかつて、日本国内で一年に出るゴミ量は約5億トンに達するとの統計を示している。ゴミがますます増える一方、細長い日本列島ではゴミ処理の場所が限られている。いかにゴミを処理するかは、現代の日本人の生活における大きな問題となった。
1975年、静岡県の沼津市が、家庭の資源ゴミ回収制度を初めて導入した。資源ゴミ回収所を市内に数多く設置し、不要な紙や布、ビンを回収所に持ってくるよう呼びかけた。決められた資源ゴミ回収日には、各地の町内会(中国の「居民委員会」に相当)のメンバーが、ゴミ分別の指導と確認にあたった。現在の日本各地の資源ゴミ回収も多くが、住民を主体としたこのような自発的な回収モデルを取っている。
もちろんこうした自発的な回収は、それぞれの自覚が必要となる。日本の児童教育がこのような自覚的な習慣を身につける役に立っていることは間違いない。日本の小学校では3・4学年から社会課が設けられ、公共社会の常識が教えられる。ゴミをいかに分別するかも学習の一つだ。
幼稚園の子どもたちがピクニックに出かける時も、教諭が指定する持ち物の中に必ずゴミ袋がある。自分のゴミを自分で持ち帰るということは、ゴミを出さないという意識につながる。このように小さな頃から受けた教育と身につけた習慣は、現代日本人の一生を通じて生き続けている。
(チャイナネット)
関連記事: