「李克強氏のユーラシア訪問は中国の影響力のさらなる伸長を示している」。『日経アジアンレビュー』は5日、李克強氏の今回のユーラシア訪問は8日にわたり、行程にはキルギスとカザフスタン、ラトビア、ロシアが含まれ、大きな象徴的意義を持つものとなったと伝えた。
今回の訪問は、欧米がまさに「グローバル化の危機」を迎えている際に行われた。過去5カ月、英国で脱EUの国民投票が行われたり、EUとカナダの貿易協定が失敗寸前に陥ったり、環太平洋パートナーシップ(TPP)への批判の声が日増しに高まったりと、人々は、世界の開放の時代がまもなく終わるのではないかとの心配を高めている。だが中国が推進する「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)は、グローバル化の危機が局地的な情勢でしかないことを示している。中国は、貨物流動の障害の減少に努め、実務的な措置を取り、相互を連絡させる交通とその他のインフラ施設を建設し、往来のスムーズでない広大な地域をカバーしようとしている。これは欧米諸国が国内の規則の調整や大海をまたぐ貿易や投資の緩和をはかりながら、現地からいっせいに抵抗に遭っているのと対照をなしている。
中国人民大学国際関係学院副院長の金燦栄氏は『環球時報』記者に対し、いくつかの国家間の貿易協定がまとまらず、一部の国では国内に政治的混乱が現れている中、中国は、世界の協力に有利な局面を後押ししていると語る。誰もが落ち込んでいる状況においては、まず必要となるのが自信だ。中国の努力は、その効果は緩慢であっても、少なくともグローバル化の波を退かせないことを可能としている。中国の現在の経済発展は、過去と比べればスローダウンしたとは言え、ほかの国に比べれば良好と言える。30年余りにわたってしっかりとした基礎が築かれ、危機に対応する体制側の能力も高まっている。
(チャイナネット)
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