中国でインターネット金融の拡大が続いている。先ごろ政府から規制策が出されたにも関わらず、P2P(インターネット上で個人間の融資を仲介するソーシャルレンディング)の取引高は過去最高の3兆元の大台乗せが目前に迫っている。
P2P融資のポータルサイト「網貸之家」を運営する上海盈燦投資管理諮詢が11日発表した月次データによると、2016年10月時点のP2Pネットローン業界の累計取引高は2兆9650億3300万元と、3兆元まであと一歩に迫った。
10月単月でみると、取引高は1885億6100万元と、国慶節連休の季節要因もあって前月比で3.28%減少したが、前年同月比では57.6%の増加となった。
相次いで規制策が出されたことで市場に一定の影響を及ぼしたことは確かだが、取り締まりが強化されるなかでも、ネットローンの取引高は伸び続けている。
その理由について、金融情報サービスの金聯儲(北京)信息服務の関係者は、◇株式市場が楽観視できない状況にあり、金融商品の収益率も下がり続けているため、◇当局が取り締まりに乗り出してから半年が過ぎ、業者が乱立する状態にあったネット金融業界も徐々に健全化に向かい、良好な市場環境が形成されつつあり、投資家の利益が守られることが裏付けられたため――と述べた。
資産管理サービス「理財範」の申磊CEOは「当局の監視がある程度厳しくなるのは、ネット金融業者の合法的な立場が認められたことの表れでもある」とした上で、業界の持続的な成長が後押しされれば、投資家の期待も高まり、ネットローンの取引高は伸び続けるだろうとの見方を示した。
ネット金融サービス「凡普金科」の共同創業者でネット金融プラットフォーム「愛銭進」のCEOを務める楊帆氏は、取引高が伸びる理由について、「短期の貸付が多いためで、投資需要が伸び続けるなか、取引残高が急増している」と説明している。
(チャイナネット)
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