中日集中交流月の活動の一環として、山下英子氏の「断捨離」講演会が北京の日本大使館で開催された。山下英子氏は東京生まれ、早稲田大学文学部卒。大学時代にヨガの勉強を始めた。ヨガの修行哲学である「断行」、「捨行」、「離行」という概念を基礎としながらも、誰でも親しみやすい実践的な新整理術「断捨離」を提唱するようになった。日常的な家の整理術や気持ちの転換で、物欲や執念から脱却して自由で快適な生活を送ることができる。表面的には家の整理や収納の方法にみえる。しかし深層的には、今の生活を整理する人生観にもなっている。
2000年より山下氏は「クラターコンサルタント」として日本各地で断捨離の講演を行ってきた。NHKやTBS、テレビ東京、毎日新聞、日本経済新聞など大手メディアに採り上げられたことから、断捨離講演は一躍有名になった。断捨離ブームが全国的に沸き起こると、講演参加者も日増しに増え、今では世界初で唯一の「クラターコンサルタント」として知られるようになった。
今回の講演会で山下氏は、「すべてのモノは我々の空間、時間、エネルギーを使って管理されなければならない」、「常に減らす方法を考え、必要なものと不要なものを分ける必要がある」などの考え方を示した。具体的にどうすれば断捨離ができるのかという、会場の熱心な読者からの質問に対し、山下氏は「モノを3つに分類することです。1つはすでに忘れられたもの。魔術のように人々を束縛している蓄積物です。2つ目は執着しているもの。海辺に沈積しているものです。3つ目は必要性や適切性から私たちに喜びをもたらすもの。強いオーラを発しているものです」と答えた。堆積するものには、良心からくる収集、心配からくる収集などがある。乱雑という現象よりも、過去や未来に由来した収集行動が一番の問題である。そのため、増やす生活から減らす生活に変えることが重要となる。心が変われば行動が変わり、行動が変われば心も変わるのだ。断捨離とは、一種の禅の実践といえる。