世界最大のネットショッピングカーニバル、天猫(Tmall)「双11(ダブル11)」(11月11日、中国の独身の日)まで、残り2週間を切った。
これまでの数年間、消費者が「ダブル11」に求めてきたのが、「目新しさ、にぎやかさ、安さ」だとすれば、8年目となる今回は、彼らの需要は明らかに変化している。価格は最も重要な要素ではなくなり、商品が彼らのカスタマイズ需要に応えられるかどうかが鍵となる。
今年の「ダブル11」は、美的集団、九陽(Joyoung)などの伝統的メーカーが天猫の特注 カスタマイズコーナーのメンバーに加わり、新たなスマート製品を発売している。美的の“OS集智”スマート冷蔵庫は、YunOS操作システムを搭載し、きめ細やかな調節が可能。庫内温度の遠隔調節、リアルタイムの食材鮮度管理だけでなく、庫内のウェブカメラで保存食材の種類を識別、主婦のような献立作りをサポートする。ECOVACS(エコバックス)は天猫ファンの需要に応え、昨年の吸引 モップ一体型の掃除ロボットに続き、同じ経路を後戻りしないで吸引と拭き掃除ができる、より賢くなった掃除ロボットを発売する。
天猫は3年前からすでにマス カスタマイゼーション(コンピュータを利用した個別大量生産)を模索し始めている。アリババの大量のデータから消費者の需要を掘り起し、企業に主体的にユーザー目線で開発を進めさせる。顧客を無視した自分勝手な開発を回避するとともに、一手販売のスタイルでコストを引下げ、在庫を抑え、発売を加速する。これにより、消費者はコストパフォーマンスの高い良質な製品を手に入れることができる。
特注製品への人気もブランド企業の大きな後押しとなる。ジューサー大手の韓国恵人原汁機は昨年の「ダブル11」に、天猫向け特注モデルを発表。1日あたりの売上高は1億元の大台を突破し、韓国ブランドでは首位となった。国産ブランドでは、栄泰(RONGTAI)の宇宙船全自動マッサージ機が9999元と高額にもかかわらず、1日で236台を販売する人気商品となった。
アリババの曾鳴チーフ戦略担当によると、C2B(消費者から企業へ販売する取引関係)は、ユーザーの需要を通じて供給チェーン全体の各部分に素早く対応ができる。今後はフレキシブルな生産システムにより多くの供給チェーンがつながり、C2Bのエネルギーは徐々に川上に向かう。アパレルを例にとれば、最終的には綿花生産まで遡ることになる。
Zara、H&Mなどに代表されるファストファッション大手は、デザイナーが世界でファッション情報を収集し、生産工場を手配、スピーディーに商品を供給する究極の例だ。デザインから販売まで、一般ブランドは半年かかると言われるが、ファストファッション大手は1週間で可能だ。茵曼(INMAN)、裂帛などのブランドは、プラットフォームを利用して工場を巻き込み、独自のフレキシブルな供給チェーンを構築、「ダブル11」の舞台で世界の大手と競い合う。
従来型の工場が生産能力過剰や収益低下、在庫過剰などに苦しむ中、インターネットはプラットフォーム統合の優位性とデータ収集力を通じ、供給側の改革実現と「新製造」のモデル転換加速をサポートする。毎年「ダブル11」は、これらの企業のモデル転換加速の契機となる。7回の「ダブル11」を経て、ビッグデーターに基づく生産と消費の相互作用は持続的に効率が向上。高精度生産と「低在庫経済」はすでに現実のものとなり、製造業の構造改革推進に向けた最良の切り口となっている。
(チャイナネット)
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