中国の広西チワン族自治区南寧市で先ごろ開かれた第13回中国-ASEAN博覧会のサブフォーラムで、100名余りに上る中国とASEANの代表者は中国とASEANの電力提携について話し合った。参加した代表者は、世界のエネルギー需要の中心が「東に移動」するにつれ、中国とASEANの電力提携に追い風が吹き、グリーンエネルギーや再生可能エネルギーを一次エネルギーとする電力提携が中国の電力企業によるASEAN市場進出の新たな商機になるとの見方を示した。
参加者は、中国の電力工業が良好な成長トレンドを保っていると紹介した。2016年7月末時点で、中国の6000キロワット以上級発電所の発電容量は15億3000万キロワット。うち水力発電は2億8000万キロワット、火力発電は10億2000万キロワット、原子力発電は3070万キロワット、送電網接続風力発電は1億4000万キロワット、太陽光発電は約7000万キロワットに上った。中国の電力ネットワーク規模、発電総容量、総発電量、火力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電はいずれも世界トップとなっている。
電力産業の急成長は、中国の電力企業による「走出去(海外進出)」の基盤を固めた。中国電力企業聯合会の常務副理事長を務める楊昆氏は、中国政府が打ち出した「一帯一路」と「グローバルエネルギーネットワーク構築」の構想にもとづき、中国の電力企業が国際提携を持続的に強化しており、中国の電力企業が2015年に米国やロシアなど20カ国超の地方政府、企業、大学と提携協定や覚書を結び、戦略的協力を進めたことを明らかにした。
統計によると、2015年に中国の主要電力企業11社が行った投資の総額は28億9800万米ドルに上った。海外請負工事建設中プロジェクトの契約額は前年同期に比べ約17.3%増の累計1547億7100万米ドル、新規契約額は約8.8%増の合計472億500万米ドル。電力設備と技術の輸出総額は136億5900万米ドルに約153%増加した。
ASEANのなかで中国の電力企業はベトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、フィリピンなどの国と電力資源の開発で提携しており、プロジェクト投資・建設と電力エネルギーのクロスボーダー取引の提携度と範囲は絶え間なく広がっている。会議に出席した中国国家電網公司の代表者は、同社がすでにミャンマー北部カチン州230キロボルト主幹ネットワーク開通工事の契約、ラオス500/230キロボルト・ビエンチャン環状ネットワーク送変電プロジェクトの総請負契約、インドネシア国家電力会社と枠組み協定を締結したことを明らかにした。
「中国広核集団(中広核)は中広核東南アジア公司を設立し、その本社をマレーシアのクアラルンプールに置くことを決めた。ASEAN諸国でクリーンエネルギープロジェクトへの投資を計画している」。中広核新エネルギー控股有限公司国際事業部の蒋南総経理は、同社がマレーシアのマラッカ200万キロワット級ガスプロジェクトやケダ太陽光発電プロジェクトなどのクリーンエネルギープロジェクトの建設に向けて準備していると話した。
世界で最も実力を有する水力発電技術大国として、中国の一部の企業が隠されている巨大な市場の潜在力に目を付けた。中国の電力企業のなかでも早期にASEAN進出を果たした南方電網公司は、その傘下にある広西電網公司が相次いでASEAN各国のベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアで水力発電所建設プロジェクトを受注した。
(チャイナネット)
推薦記事: