最近、スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」が世界中で大人気となっている。米国では配信スタートからわずか5時間で、モバイルゲーム番付でトップになり、その後、世界中を巻き込み、数億人の愛好者を生み出した。
技術的にいえば、このゲームにはAR(拡張現実)技術が応用されるに過ぎないが、その人気ぶりから、VR(仮想現実)技術の巨大な市場潜在力がうかがえる。VR技術の登場はここ数年のことだが、今や市場での応用のケースがますます増えている。
北京大学文化産業研究院の陳少峰副院長は、「VRは文化と科学技術が融合した典型的な事例だ。文化芸術産業の促進という大きな役割を果たすだけでなく、とりわけ体験型の文化プロジェクト方面で大きな役割を果たし、VRは博物館、テーマパークといった伝統的文化スポットでの体験の仕方を変えた」と話す。
成熟はまだ?
VR技術が大流行する中、市場には「冷静な思考」で流行を眺める人々もいる。
米国シアトルで大手インターネット企業に勤める中国人の陳さんは、「VR技術の実践は始まったばかりで、消費者の多くが様子見の態度を取っている。現実の体験の様子をみると、スクリーンの視野が小さすぎ、手の動きの識別は精度が低く、人間と機械の相互連動(HCI)には改善が必要なところがたくさんある。よってVRが真に生活に入り込むにはまだ時間がかかるといえる」と話す。