グローバル会計 コンサルティングを手がけるプライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)は10日、下半期の中国企業による海外での合併・買収(M&A)が引き続き活発なため、今年は中国の海外M&Aにとって歴史的に最も輝かしい一年になるとの予測を示した。取引額は過去最高だった昨年の水準からさらに3倍増えるとみている。
『ロイター』が8月10日に伝えたところによると、上半期の中国によるM&A取引額は過去最高の4125億米ドルと、前年同期に比べ27%増加。うち海外は1340億米ドルで、前年同期に比べた増加率が3倍を超え、ここ2年の中国企業による海外M&A取引総額を上回った。昨年1年間の中国企業による海外M&A取引額は649億米ドルだった。
プライスウォーターハウスクーパーズ企業融資・M&A部門の蔡凌パートナーは「海外M&A活動が大きく拡大したのは大企業や国有企業の投資部門、保険会社、各種政府主導ファンドなど代替投資家の台頭が要因だ。中国は比較的大きな投資可能資金を有しており、我々はこうした代替投資家の担う役割が日に日に重要になると思っている」と話した。
蔡凌パートナーによると、中国企業の「走出去(海外進出)」は中国A株市場に通じる資金調達ルートを広げ、ファイナンシャルインベスターの急成長につながった。また、民営企業は引き続き海外M&A市場をリードし、M&A取引額が初めて国有企業を上回った。
報道によると、中国企業は海外M&Aを通じて、海外の先進的な技術 特許 ブランドを国内市場に導入することや、規模拡大式の成長、国内と海外の価格差を利用した裁定取引、人民元安と国内経済減速リスクのヘッジなどを狙っている。
下半期の見通しについて、プライスウォーターハウスクーパーズ中国本土 香港プライベートエクイティ取引部門の劉晏来パートナーは、中国企業による海外M&Aを長期的に後押しする要因が依然として存在するとして、「走出去」の国家戦略や企業の規模拡大式成長、ファイナンシャルインベストのニーズなどを挙げた。
劉晏来パートナーは、資金調達コストの低さ、国内資本市場に対する高い評価、人民元の裁定取引機会などのアドバンテージがあるため、今後は中国の買い手が競争入札プロセスでさらに積極的となり、より高額のオファーを出すことになるとの見方を示した。
(チャイナネット)
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