ロイター通信は9日、ベトナムが係争中の複数の南沙島礁に、秘密裏にミサイル発射装置を配備したというスクープを報じた。これらのミサイル発射装置はイスラエルから調達したもので、有効射程距離は150キロに達し、150キロの弾頭を搭載できる。これらの装置はベトナムが支配する南沙島礁に配備されている。つまり中国が永暑礁、渚碧礁、美済礁に新設した空港と各種施設が、ベトナムの火力システムの攻撃範囲内に入ることになる。
ベトナムが島礁を軍事化させているという情報は、直ちに世界に伝わった。しかし米ホワイトハウスの関係者は、名指しを避けつつ「南中国海の関連国は対立を激化させる行動に出るべきではない」と呼びかけるにとどまった。これは中国による島礁建設を大げさに取り上げる態度とは対照的だ。米国務省は9日、中国が南沙の3つの島礁に、すべての軍機が使用できる格納庫を建設したことを「証明」し、「この軍民両用の建設活動は、地域の緊張情勢を激化させる可能性がある」「脅迫的ではない手段による係争・問題の解決を目指す中国への信用を損ねた」と表明した。
周知の通り、ベトナムは南沙の29の島礁を占拠している。ベトナムはこれらの島礁で早くから、大規模な軍事・民間施設の建設を行っている。ベトナムの大口径砲、対空兵器が南沙に配備されている。さらに軍隊と共に民間人の上陸を促し、これらの島礁の永久支配を試みている。ベトナムは「南中国海各方行為宣言」を守ったことがない。
ベトナム外務省はロイター通信の情報は「正しくない」としているが、ベトナムによる島礁の軍事化が相当な程度に達していると見られている。豪州の専門家はロイター通信に対して、ベトナムの「軍事的に中国をけん制する決意は本物だ」と述べた。インドのウェブサイトはこの情報について、ベトナムに「人を噛む能力」があることが分かると伝えた。英ガーディアン紙は、この情報が「南中国海の軍事化と衝突の可能性への懸念を深めたことは間違いない」と指摘した。
ベトナムの行動は、中国の島礁の安全を脅かす。しかし現段階ではっきりさせておくべきことは、中国が南中国海で米国から最も大きな圧力を受けているということだ。中国はベトナムの南沙におけるさらなる行動に警戒するべきだが、ベトナムとの南沙における軍事対立を過度に重視するのではなく、中心的な問題に集中するべきだ。
(チャイナネット)
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