中国人民大学国際貨幣研究所は24日、『人民元国際化報告2016』を発表し、人民元の国際化指数は上昇基調にあり、この5年で10倍を上回る伸びを示したと明らかにした。
昨年は世界的な金融市場の混乱が起きたが、その一方で人民元の国際化は順調な進展を続けている。報告書によると、2015年末時点の人民元国際化指数(RII、人民元が国際経済活動でどの程度使用されているかを数値化したもの)は3.6と、前年の同じ時期に比べ42.9%上昇し、5年間で10倍を上回る伸びをみせた。
人民元国際化指数は各国の貿易、国際金融取引、外貨準備において人民元が使用される割合を0~100で数値化したものであり、数値の上昇が続くということは、取りも直さず人民元が国際通貨としての機能を一段と発揮し、その国際化水準が年々高まっていることを示す。
報告書によると、2015年末時点での米ドルの国際化指数は54.97、ユーロは23.71、日本円は4.29、英ポンドは4.53だった。
人民元国際化指数の上昇が続く理由については、主に、◇中国の経済運営が概ね安定しており、金融改革が秩序立てて推進されている、◇資本勘定のクロスボーダー人民元業務政策が一段と深化している、◇人民元決済インフラの段階的に整備され、関連システムのグローバルスタンダード化が進んでいる、◇中国が提唱する経済圏構想「一帯一路」戦略の秩序ある推進、欧州との経済金融分野における協力が積極的に展開されている、◇金融市場の混乱、ドル高の進行を背景に、コモディティ市場における人民元の使用割合が上昇している、ーーの5点を挙げた。
中国人民大学国際貨幣研究所の向松祚副所長は、人民元は向こう2年で日本円と英ポンドを上回る見通しで、ドル、ユーロに次ぐ世界3位の主要通貨になるとの見方を示した。
(チャイナネット)
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