豪州、英国、カナダなど、中国人の間で人気の海外不動産投資先はこのほど、不動産投資制度を引き締めている。この変化は海外での不動産購入に意欲的な中国人に、冷水を浴びせることになるだろうか?
業界関係者は、「短期的に見ると、一部の制度は中国人の現地での購入の意欲に影響する可能性があるが、中長期的に見ると、中国人の海外不動産購入は今後10年に渡り急増を続ける」と判断した。
海外メディアの報道によると、豪州はまもなく外国人購入者から新たに印紙税を徴収することになる。これは中国人購入者を主なターゲットにしているという。豪ニューサウスウェールズ州はこのほど、外国人購入者に4%の印紙税を課し、来年より現地ですでに不動産を取得している外国人から0.75%の付加土地税を徴収すると発表した。同州シドニーの不動産平均価格によると、外国人購入者は新たに4万豪ドルの印紙税を支払わなければならない。
また豪クイーンズランド州もこのほど、外国人購入者に3%の印紙税を課税した。ビクトリア州は外国人投資家に対して、7%の印紙税と1.5%の土地税を課している。
住宅を購入し賃貸に出すことで、住宅市場が低迷するという懸念を受け、英国は昨年末より賃貸物件への融資率・融資枠の規制を強化し、申請者の返済能力を全面的に評価するようになった。この制度は外国人投資家のみが対象ではないが、現地で不動産を購入し賃貸に出そうとしている人に一定の影響を及ぼす。他にもニュージーランド、ノルウェー、スイス、カナダなどの中央銀行も近年、「マクロ慎重政策」により不動産市場のクールダウンを図っている。
外国人による不動産購入のハードルが上がることで、中国人投資家の意欲が低下することはあるだろうか?
専門家は、「短期的に見ると、制度が厳格化された国では冷え込みが見られるが、長期的に見ると大きな影響はない。資金はおそらく、制度が緩やかな国に流れるだろう」と予想した。中国初の海外不動産取引センター、万国置地の史鋭雪総裁は、「国内大都市の住宅価格が高騰しており、世界の一部の人気エリアを上回っているほどだ。元安、国内住宅市場の先行き不透明などの環境下、質の高い教育、移民資格の取得、無期限の所有権といった要素により、高所得者の多くが海外での不動産購入に目を向けている」と分析した。
同社国際プロジェクト部門の彭呂楊チーフマネージャーは、「世界主要経済国の住宅価格は2016年も続騰する。米国は通年で2%、豪州は8%、カナダは1.6%、英国は2%。この状況下、中国人投資家の海外不動産購入の需要は、2016年も急増を維持する」と予想した。
胡潤研究院もこのほど、中国人富豪の海外不動産購入の動向を分析した報告書の中で、中国の高所得者の8割以上が、海外での投資を検討中と回答したと指摘した。不動産は中心的な海外投資先で、投資全体の4割以上を占め最大の割合となっている。海外での留学期間の長期化が、海外不動産購入の需要をけん引する重要な要素とされている。中国人留学生の留学期間は、10年前であれば2年であったが、現在のトレンドは8年だ。
(チャイナネット)
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