新華網北京6月22日 日本の福島原発事故から5年が経過したが、放射能漏れの「煙霧」は散けることなく、事故の背後の真相が次々と露呈している。
2011年3月15日、日本の福島県で作業員が1人の児童に放射能測定を行った。(画像提供:新華社)
被災者は孤立無援:がん発症、死亡リスクは解消せず
この5年間に、福島県は事故発生時に18歳未満だった約38万人の対象者に2回の甲状腺がんのスクリーニング検査を実施した。2016年3月時点で、確診例と疑診例の患者は173人に達した。
2015年末、日本の岡山大学大学院の津田敏秀教授らは次のように指摘した。福島原発事故で漏えいした大量の放射性物質の影響で、福島県の児童の甲状腺がんの発症率は日本の全国平均水準の20倍から50倍に達している。しかし、現在までに日本政府は甲状腺がんの多発と放射能との因果関係を認めていない。
日本人カメラマンの飛田晋秀さんは30回余りも被災地を訪れ、レンズを通じて被災地の情景を記録した。撮影しながら、度々、涙を流すことがあったが、怒りの感情の方が強かった。飛田さんは「福島で甲状腺がん患者の家庭は苦痛と孤独に耐えながら、助けを求めることもできない。」と語った。
政府は堅く口を閉ざす:責任を回避し、真相を隠蔽
原発事故が発生した日から、日本では情報開示が遅れる、完全ではない、さらには前後で矛盾する状況が数多く発生している。日本政府が意図的に、又は無意識に事実を曖昧にして処理することは、関係国際機関と専門家の一致した見解になっている。国際的に見ると、これは道義と責任感に欠ける姿勢だ。
2013年8月、日本政府は福島第一原発で1日300トン以上の放射能に汚染された地下水が海洋に放出され、この状況が原発事故発生直後から続いていた可能性が高いことを認めた。しかし、同年9月、日本の安倍首相は2020年オリンピック開催地招致のプレゼンテーションで、放射能の汚染水は「制御された」、「全く問題はない」と世界に豪語した。事実上、東京五輪の開催が決定した後も福島では依然として放射能の汚染水が外部に放出したり、漏えいする状況が何度も発生している。
世論は重大な点を避けて枝葉な点ばかり採り上げる、全体で「沈黙」
不可解なことは、民衆の健康に関係する重大事件において、発達した日本メディアが意外なことに「図らずも」沈黙を選んでいることだ。だが、同じく7級原発事故であるチェルノブイリ事故に対して、これらのメディアは星光灿烂持続的に報道している。
ある日本の民間団体は日本メディアのチェルノブイリと福島原発事故に対する報道の異なった姿勢を比較した。民間団体の関係者は次のように指摘する。過去30年間に、日本の有力メディアはチェルノブイリ原発事故に引き続き注目し、調査と報道を行ってきた。「福島原発事故の発生後、チェルノブイリは再び日本メディアに注視されたが、日本の有力メディアがこれまでのチェルノブイリ原発事故調査の取材経験を土台にして、福島原発事故の健康への危害について深く調査し、報道するのを見たことがない。」と述べた。
さらには、日本のネットユーザーから新華網に日本語チャンネルで福島原発事故の真相を暴くために払った努力に感謝するメールが届いた。そういった報道はちょうど日本メディアによって報道規制された内容だった。
国の忘却の願いは災難そのものよりも恐ろしい
「国の忘却の願い」と題した仏紙『ル・モンド』の3月の社説は、日本政府の原発事故への「たくらみ」に対する見解を総括した。人々は災難という1ページができるだけ早く過ぎ去ることを望むが、重要なことはどのような姿勢で現実を見つめ、どのような出発点から善後処理を行うかということだ。政治、又はその他のいかなる目的によっても、災難を無視することは災難そのものよりも恐ろしい。
日本国民と国際社会に対し高度に責任を負う姿勢で、日本政府はより効果的な防護措置を講じ、福島の放射能漏れ及び海洋環境、人類の健康などに及ぼす危害の関係状況を国際社会に適時かつ全面的、正確に通報するべきだ。また、国際海洋環境を保護するために果たすべき義務を履行しなければならない。
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