このほど、アリババ(阿里巴巴)集団にとって最大の株主である日本のソフトバンクは資本構造と負債規模縮小の必要から、保有するアリババ株のうち70億ドル(1ドルは約108.8円)をアリババに売却することにした。売却後、ソフトバンクの持ち株比率は32%から28%に下がる。アリババとパートナーはソフトバンクからのアリババ株24億ドルの買い取りにも同意する。ソフトバンクがアリババに出資してから16年間で売却は今回が初めだ。京華時報が伝えた。
アリババのコントロール権の問題は解決
アリババにとって、ソフトバンクの株式売却は、アリババ自身のニーズに基づいて株式の出資構造を調整する機会になる。買い取りにより、アリババが現在最も中核に据える事業が完全にアリババのものになる。
今回の買い取りでアリババの議決権に変化が生じる。取引が完了すると、ヤフーおよびソフトバンクの議決権は合わせて50%を割り込む。基本的な投票権をめぐって、アリババのコントロール権の問題は解決され、馬雲(ジャック マー)会長と上層部は企業に対する絶対的なコントロール権を確立することになる。
アリババは2005年にヤフーから10億ドルの出資を受け入れた後、ソフトバンクとの出資関係を整理するようになり、ソフトバンクが保有する淘宝(タオバオ)の全株式を3億6千万ドルで買い取るなどした。それまでソフトバンクの淘宝株の持ち株比率は50%を超えていた。
取締役会については、ソフトバンクは取締役候補1人を推薦する権利をもつが、馬雲会長と蔡崇信(ジョセフ ツァイ)副会長の同意がなければ、アリババが推薦した候補1人を解任する権利をもたない。ソフトバンクの持ち株比率が15%を下回れば、候補1人を推薦する権利を喪失する。