「中国一の富豪」とされている王健林会長が率いる万達集団傘下で初の大型テーマパーク・「江西南昌万達文化旅遊城」は28日、正式に開園した。それに先立ち、王会長は「向こう10~20年は、ディズニー中国が利益を上げられないようにしたい」と抱負を語った。これに海外メディアが高い注目を寄せ、王会長の発言と行動はディズニーへの「宣戦布告」と伝えた。米国の世界に向けた文化の輸出で、ディズニーは言うまでもなく一番の成功例だ。その意義は単なる商業的な投資にとどまらない。並みならぬ意気込みを見せた万達集団だが、事業の先行きはどうなるのか。その真意はどこにあるのか。これをめぐって海外メディアが熱論を繰り広げた。
6月16日に開園を予定している上海ディズニーは試験営業の段階から脚光を浴びてきたが、28日の万達文化旅遊城の開園で突如、世間の注目を奪われた格好だ。シンガポール華字紙『聯合早報』は29日、「“万達城”と命名されたこの巨大複合施設の敷地面積は200ヘクタール、建築面積は80万平方メートル。超大型ショッピングモール“万達商城”、大型屋外テーマパーク、屋内テーマパーク、トップレベルのステージショー、ホテル群、レストラン街などを備える。来園者の受け入れ能力は3万人に上り、年間来園者数は延べ1000万人を超える見通し」と伝えた。
ただ、これは王会長が進めている壮大な計画のスタートに過ぎない。ロイター通信によると、万達集団はここ数年、中国で大型テーマパークプロジェクトの投資・建設を続けてきた。王会長は以前、国内メディアの取材に対し、「強い虎も狼の群れに勝てない」と喩えた。中国本土でディズニーランドは上海の一カ所のみ。一方、万達集団は国内と海外で15~20カ所、それぞれ異なる形態を持つ「万達城」を建設する計画だ。ドイツ『経済新聞』は29日、「向こう十数年にわたり、米ディズニーは“中国版ディズニー”からの脅威を受け続ける可能性がある」と評した。
英BBCはマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査データを引用し、「中国で消費主導型の経済成長モデルの確立につれ、2022年に中間所得消費層は6億3000万人規模に膨らむ見通し。万達集団が200億元以上を投じて“万達城”を建設する背景には、これから増え続ける国民のレジャー需要を取り込む狙いがある」と分析。一方、英ロイター通信は香港ディズニーランドの経営状況に触れ、「05年の開業以降は赤字が続き、12年にようやく黒字に転換した。しかし、中国本土からの観光客の激減を受けて15年度は再び損失を計上している」と伝えた。
万達集団の「宣戦布告」により深い考えが潜んでいるとの見方もある。英紙『ガーディアン』は29日、「万達集団は中国企業のグローバル化をリードしてきた。不動産開発から事業を始めた同社はここ数年、映画・映像製作への投資にも注力し、世界でも名の知れる娯楽ブランドに躍進。南昌の“万達城”は、外国文化の浸透を背景に生まれた中国娯楽・文化の代表格と称されている。王会長は、文化ブランドの競争において中国の影響力、発言権の向上を図っている」と報じた。
王会長は「万達城」ブランドの世界進出も宣言。香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、「王会長は“中国文化旅行城”という経営モデルを海外へ広めたい」と伝えた。
(チャイナネット)
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