新華網北京5月8日(記者/王卓倫)中国外交部国境・海洋事務司の歐陽玉靖司長は6日、国内外のメディアブリーフィングで、中国側がフィリピンの申し立てた南中国海仲裁案について受け入れず、参加しない理由を論述した。
歐陽玉靖司長は次のように述べた。南中国海問題の核心はフィリピンなどの国が中国南沙諸島の一部島礁を不法占拠したことによる領土問題、および新しい海洋法制度の制定と発展による海洋境界線の画定問題だ。
2013年1月、フィリピンが一方的に南中国海仲裁案を申し立て、片意地に推し進めてきているが、中国側これに対し受け入れず、参加しない立場を堅持している。これについて、歐陽玉靖司長は主に以下の三つの理由に基づくものだと釈明した。
その一、中国とフィリピンの二国間では、双方はこの前に調印した共同コミュニケや共同声明で、二国間協議の形で両国の紛争を解決するという合意に達した。
その二、2002年、中国がフィリピンを含むASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と調印した『南中国海各側行動宣言』第4条では、直接な関係のある当事国によって交渉・協議を通じて関係紛争を解決することが定められている。
その三、2006年、中国は『国連海洋法公約』第298条の関係規定に則って、海洋境界線の画定や軍事活動、行政法執行などの問題について適用除外の声明を発表した。それに基づき、海洋境界線の画定に関わる問題は、中国が公約の関連する強制的な紛争解決プロセスを受け入れないとする。
歐陽玉靖司長は次のように語った。『国連海洋法公約』は領土の主権問題に関わらず、海洋境界線画定の問題について中国は既に適用除外の声明を発表した。このため、仲裁案を受け入れず、それに参加しない立場は、『公約』を含む国際法の規定に完全に合致するものだ。仲裁案が最初から不法であるから、仲裁案の結果がどうになるかに関わらず、中国は受け入れないし、認めもしない。
歐陽玉靖司長はまた次のように述べた。フィリピンが申し立てた南中国海仲裁案は法的仮面を装った政治ツールである。フィリピンがこれによって南中国海における中国の領土主権と海洋権益を否定し、中国の南中国海における一部島嶼を不法占拠する行為に助勢しようとするもので、地域の平和と安定をひどく脅かしている。
歐陽玉靖司長は「中国政府は一貫して、直接に関係当事国と歴史事実を尊重する基礎の上に、国際法に基づき、交渉と話し合いを通じて領土主権と海洋権益についての重なった紛争を解決する。」と述べた。
歐陽玉靖司長は次の例を挙げて説明した。20世紀60年代以来、中国はすでに交渉と協議を通じて、14の陸地隣国の中の12国と国境問題を解決し、20000キロメートルの国境を定め、中国陸地国境22000キロメートルの90%を占める。そのほか、中国とベトナムは交渉と話し合いを通じて、両国が北部湾における海上の国境を定めた。
歐陽玉靖司長はまた「上記のはすべて中国が交渉と協議を通じて獲得した世間全体に注目された業績であるだけでなく、中国が独立自主の平和な外交政策、善隣友好の周辺外交政策を遂行することと国際法を実行し、擁護することのもっとも良い例証と言える。」と述べた。
歐陽玉靖司長は次のように強調した。仲裁裁決は中国が南中国海諸島およびその附近の海域に対する主権を持つ歴史と現実を変えることなく、主権と海洋権益を守る決心と意志を揺るがすことができず、直接交渉を通じてある争議を解決し、本地域の国々と共に南中国海の平和と安定を維持するという中国の一貫した政策と立場に影響を与えることもできない。(翻訳/謝艶 彭純)
(新華社より)
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