2015年の中国の乗用車販売市場での日本車の活躍が目立った。トヨタの年間販売台数は100万台の大台を突破し、前年比5.6%増の101万178台を記録した。ホンダも24.8%増の99万2844台(アキュラを含めると100万台超)を売り上げた。伸び率は日本車メーカー最大。日産も3.7%増の89万1361台(事業用車両を含めると日本でトップ)となった。
今年に入っても好調は続いている。2016年3月までの販売台数は日本車全体で79万台と、前年同期を20.1%上回った。シェアで見ても1.4ポイント増の14.5%まで上昇。外国メーカーの中で日本車だけがシェアを上げた。
日本車の伸びを牽引したのは現在人気のSUV(スポーツ用多目的車)とコンパクトカーである。その反面、かつて好調だったミドルクラスのアコード、カムリ、ティアナなどが落ち込んでいる。
アコードの2015年の年間販売台数は12万8126台、今年第1四半期は2万2124台と3割以上前年同期に比べて減少した。ホンダの最大のアキレス腱となっている。カムリも同様である。第1四半期の減少幅は30.9%に達し、トヨタ全体の売り上げのの足を引っ張っている。その2車種に比べ落ち込み幅は小さいものの、日産のティアナも3.0%減の2万1238台と不振が続く。各社とも従来からこうしたミドル車種の販売に力を入れていたため、今後の車1台当たりの利益率にどう影響を与えるかが懸念される状態。販売がSUVなどに偏っていることは決して望ましいことではない。
こうした販売状況のコントラストはなぜ生じたのか。考えられる理由はSUVの登場、ミドル ハイクラス車種の攻勢、過去の値下げによる需要の先食いなどのほか、ミドル車種の戦略が遅れていることも関係するとされている。いずれにしろ日本車のミドル車種の復活は厳しそうだ。
今中国の乗用車販売市場で最も人気があるのはSUVだが、SUVは価格と性能の点で、ワンランク上の車種とバッティングする。このためSUVへの需要が高まればその分、他の車種に対する需要が減ることになる。SUVとコンパクトカーの売り上げが急激に高まったあとに同一価格帯の車種の売り上げが減少する減少はたびたび見られる。
現在各社のSUV車の種類はトヨタと日産が4車種、ホンダが3車種。今後各社はこれらの車種に対する販売攻勢を一段と高めると思われ、ミドル車種はこの先も苦戦を強いられそうだ。
かつてアコード、カムリ、ティアナの3車種は輝かしい販売成績を収めた。中国の乗用車販売市場が新常態に入るなか、これらのかつての“御三家”の新たな販売戦略をいかに構築していくかが日本の自動車メーカー各社に問われている。
(人民網日本語版)
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