経済日報社中国経済情勢研究院が作成した「中国世帯資産調査報告」の2016年版が4月28日に発表された。全国25省 自治区 直轄市の268県の1万2千世帯を対象とした訪問調査のデータに基づくもので、中国の世帯資産の規模 構造、都市部 農村部間や地域間の格差、金融資産と住宅との関係、世帯の投融資の方針決定、老後の計画などを手がかりに、現代の中国の世帯資産の基本的状況を全面的かつ客観的に映し出している。新華社が伝えた。
15年の世帯資産の平均は14万4197元(約239万円)で、都市部は20万8317元(約345万円)、農村部は6万4780円(約107万円)だった。都市部は農村部の約3.22倍だ。世帯資産には都市部 農村部間の格差だけでなく、地域間の格差もある。東部地域の平均が最高で、中部地域がこれに続き、西部地域は最低だった。
資産がどこから発生したかという角度から世帯資産の形成 分配状況を理解するため、同報告は世帯資産の構成に分析を加えている。不動産の価値が最も重要な構成要素で、世帯資産のうち65.61%を占め、都市部は67.62%、農村部は57.60%だ。金融資産の占める割合は全体で16.49%、都市部で15.96%、農村部で18.61%。動産と耐久消費財も世帯資産の重要な構成要素だが、その割合には都市部と農村部で目立った違いはみられなかった。
同報告は都市部と農村部での自動車保有、消費者ローン、投資ルートの状況をそれぞれ分析する。調査によると、都市部 農村部世帯の自動車保有率は31.8%。1台にとどまらず、2台以上保有する世帯が3.48%あった。平均すると、100世帯あたりの自動車保有台数は39.8台になる。自動車保有状況には都市部と農村部で目立った違いがみられた。消費者ローンの普及率は低く、自動車を保有する世帯の一部が購入に際してローンを利用したが少数で、自動車保有世帯の18%、全世帯の6.5%にとどまった。
世帯の貯蓄の主な目的をみると、トップは「子どもの教育のため」で、40%以上の世帯が挙げた。以下、「いざというときのため、医療費の出費に備えて」、「老後の蓄え」、「投資リスクを避けるため」、「住宅購入や家の改修のため」が並んだ。ここから、何かに備えるためというのが、都市部でも農村部でも貯蓄の主な動機であることがわかる。