主要7カ国(G7)外相会合が11日、日本の広島で閉幕した。発表された3つの文書のうち、日本は「海洋安全保障に関するG7外相声明」に関する情報を事前に発表し、気運を高めていた。しかし発表された声明は、日本側が事前に宣伝していた内容よりもあいまいになり、中国が名指しされることはなかった。G7加盟国と米日の妥協の産物であることが分かる。「環球時報」が伝えた。
同声明の圧倒的多数の内容が淡々としたものだが、東中国海・南中国海情勢に懸念を表し、一方的に現状を変えることに強く反対し、すべての国に対して大規模な埋め立てや、軍事用の拠点の構築などを自制するよう呼びかける内容があった。その中にも、日本が事前に宣伝していたような、「軍事化に反対」といった文言が盛り込まれることはなかった。
国際会議は日本で開かれると、私的利用される。日本人はこのような件をいじくりまわし、「政治的な便宜」を得ることを好むようだ。G7外相会合が広島で開かれ、各国外相は平和記念公園で献花した。日本メディアはこれを衝撃的な、象徴的な出来事として報じた。米国のケリー国務長官は随行した高官を通じて、「国務長官の広島訪問が広島への謝罪を意味するかと聞かれれば、私の答えはノーだ」とメディアに答えざるを得なくなった。
G7が発表する声明に、南中国海に関するどのような文言を盛り込むべきかについて、日本メディアは何日もかけ分析していた。まるで日本にとって重要この上ないかのように。
しかしG7全体の重要性の低下は、異論の余地なき事実だ。今年9月に中国の杭州市で開かれるG20サミット、5月に日本の伊勢志摩で開かれるG7サミットのどちらが世界に対して大きな影響力を持つかは、もはや問題にもならなくなったようだ。
世界の経済・政治構造に変化が生じているが、G7は水中に固定されている石のようだ。中国の不在により、世界を論じる権威性が薄くなる。さらにロシアまで、G7から追い出された。G20の豊富さと比べると、寂しさが目立つ。
G7はすでに世界の「中心」ではないが、自分を中心と見せかけている。日本はこのような偽装に特に熱心であり、外相会合を通じ南中国海に関する声明を発表できれば、南中国海問題がこれにて「一件落着」すると思っているかのようだ。
G7の多くの加盟国は、この世界的な人気が低下を続けるクラブ内の活動以外に、外の世界も同じく重要であることを認識している。彼らはG7を自国の排他的な選択肢にしたくなく、例えば広島の外相会合を中国との関係発展の障害物にするつもりはない。
G7の4カ国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加国で、対中貿易額は対日貿易額を上回る。首脳は近年、東京よりも北京を足繁く訪れている。
世界構造に中国などの新興国の影響力が加わったという変化を認識しなければならない。これを前提としないグローバルガバナンスは、要領を得ないだろう。世界経済を議論するG7の権威が大きく損なわれ、その政治的な力もごく一部の分野に限られている。G7の全世界の調整を行う能力の不足も拡大している。そのため実行を伴わない発言ばかりが増え、ますます軽薄になっている。
現在のG7は、宣伝のスピーカーという印象が最も強い。しかしいくら必死に叫んだところで、効果が出るとは限らない。G7は声明の発表に夢中になり、「電話一本で問題を解決」する能力が低下を続けている。これはこの組織にとって、あまり望ましくない流れだ。
(チャイナネット)
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