2014年頃から“日本に行ったら絶対に買うべき薬”リストというのが中国のネット上で話題になっているが、最近ではその注目度が一段と高まっている。
電気炊飯器や温水洗浄便座などの日本製品が人気になる理由は、その“高性能”や“清潔感”にあるが、薬や化粧品に対する人気の理由はなんであろうか。中国の市販薬にも優れたものが多くあるのに、日本製品はどうして中国人観光客の心を引き付けるのだろうか。
特許が日本にあるといっても、中国でも政府の認可を受けた同じ効能を持った同様の薬品がないことはなく、日本でしか買えない薬や化粧品というものは決してないのにである。
その理由について、多くの観光客はこう答えるかもしれない。「使いやすさと消費者への気配りがあるから」と。
日本の薬や化粧品に特に驚くような効能があるわけではない。しかし消費者の使用方法についてはとても気を配っている。ある薬品メーカーは商品パッケージに力を入れているが、これは一般の消費者に薬に対する専門知識がなくてもパッケージの説明書きを見れば、その使用方法や服用方法がすぐにわかるようにするためだ。
子ども向けの薬にも配慮している。多くの咳止めシロップなどでは人気アニメのキャラクターを使うなどして子どもが飲むのを嫌がるのを和らげようとしている。また子ども向けだけでなく大人向けの薬も口当たりがいい。四川から来た胡さんは「子どもの頃から漢方薬は苦くて生臭く、飲むのが苦痛だった。でも日本の漢方薬なら簡単に飲むことができる」と話す。
日本の市販薬や化粧品のメーカーは消費者の深いレベルでのニーズをとても重視している。製品の効能だけでなく、その成分をパッケージに表示するなど、消費者の信頼や納得を得られるように努めている。最近、肌の黒ずみを抑える効果があるとして人気の高い「ハイシー1000」はパッケージにビタミンCやB2の配分量を表示。そうすることで顧客の不安を減少させ、消費者が商品の購入を自分の判断でしやすくしているという。
現在のところ、中国の市販薬や化粧品のマーケットは十分には成熟していない。しかし生活レベルの高まりにつれて、中国の国民のこうした商品に対する需要は急速に高まっている。
日本ではどのドラッグストアでも大きな中国語の広告があり、中国人の習慣に合わせて商品が並べられている。中国語のできるスタッフも大勢配置され、中国人旅行客の親近感も大きく上昇。このことが彼らの購買意欲を刺激している。最近、多くの店舗が免税手続きの専用コーナーを設置していることも、中国人観光客が薬や化粧品を大量購入する要因の一つにもなっている。
(チャイナネット)
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