日本政府は3月22日、29日より正式に安保法を施行することを閣議決定した。自衛隊の武力使用の権限と範囲が、大幅に拡大される。その一方で、日本社会からは侵略戦争という歴史を反省し、安保法を批判する声が上がっている。
舞台劇「安全区/Nanjing」が、3月中旬に東京で上演された。同作品の原作は堀田善衞の『時間』。日本軍の中国華東地区侵略などを背景とし、戦火に見舞われた上海や南京で人命が蹂躙され、人々が塗炭の苦しみにあえいだ惨状と恐怖を反映している。同作品はまた、一部の人物のイメージを掘り下げている。例えばいわゆる国際法と「人道主義」を口実に侵略戦争を正当化し、人間らしさのかけらもない日本の軍官や、日本軍国主義の当局者によって前線に立たされ、木魚と経文によって「王道楽土を建設」「聖戦に死す」よう兵士に呼びかけながら、歪みねじ曲がった精神状態に置かれている従軍僧などが含まれる。
同作品の脚本を担当した嶽本あゆ美氏は、原作の『時間』の感想を述べた際に、「読者は戦争の災禍が巻き起こす尽きることなき虚無を目にし、日本の(侵略戦争の)償いの重さ、日本の文化人の苦悩を感じることができる」と話した。
中国青年報の記者は、同作品を鑑賞した。約2時間の上演後、客席は静まり返った。同作品を鑑賞した正社員の北原さんは、「感動させられた。日本政府は他でもない、全国2000万人の非正規雇用者の活路といった、国民生活の問題のみに専念するべきだ」と話した。
しかし日本の世論環境には、微妙かつ深い変化が生じている。このような反戦の声は、日本の主流メディアの注目を集めにくくなった。国谷裕子氏、古舘伊知郎氏、岸井成格氏ら有名キャスターは、長年担当していた報道番組を降板した。彼らには、安保法の問題で安倍首相と異なる意見を持つという共通点がある。これは「日本の文化人の苦悩」の一つかもしれない。
日本国民は3月29日と5月3日(憲法記念日)に、国会周辺で抗議活動の実施を予定している。
(チャイナネット)
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