日本政府は先日、女性の権益保護を促す会議において、政策を通じて「女性の仕事と暮らしの両立」を推進していく方針を固めた。政府の政策を積極的に導入する企業に対しては、国家プロジェクトの入札募集の面で優遇するという。具体的には、政府のプロジェクトに入札する際、女性管理職の割合が高い、あるいは男性職員の育児休暇を積極的に導入している企業に対し一定基準の加点を行い、それによって女性の就労環境の改善を進めるというもの。この政策は今年4月から正式に施行される。人民日報が伝えた。
日本は深刻な労働力不足に直面している。90年代中ごろから、日本の労働力は減少を始めていた。労働力を増やすため、安倍政権は慎重に技術移民を受け入れる一方で、日本の女性を家庭から解放し、労働力市場に充てるという政策を進めてきた。これも安倍政権が打ち出した経済刺激策の新「三本の矢」において児童扶養負担減少を掲げた主な理由である。
世界経済フォーラムが発表した2015年度「世界性差別報告」によると、日本の男女平等ランキングは世界145カ国中101位で、先進国の中では最低水準であった。日本の共同通信社が先日発表した調査によると、2015年10月時点で、当初「男女雇用機会均等法」の政策面での奨励下で大企業に就職し研修を受けていた女性のうち80%がすでに退職していた。同法の成立により、企業は女性管理職の研修生を受け入れてきたが、残業の常態化や女性の仕事と家庭の両立を支援する日本政府の政策には限度があり、同法の推進下で入社した第一陣の多くの女性も職場に留まることができなかった。同法施行30年来、日本の女性の経済的地位は一定程度改善されたが、他の先進国には遥かに及ばない。
近年、日本の晩婚化、非婚化は拡大し、また不景気から夫の収入だけでは家庭の支出を支えきれなくなっており、日本の女性は以前に増して就職を通じて経済的条件を改善し、自身の価値実現をするようになった。日本国立社会保障人口問題研究所が2010年に行った、日本国内の独身男女を対象にした5年に一度の「結婚と出産に関する全国調査」によると、理想のライフスタイルについて、独身女性で最も多かったのは結婚して出産後再就職するというもので、35%を占めた。また、出産後退職する必要はないとする割合は31%で、結婚後専業主婦を希望する女性の割合は20%であった。
女性の就業と少子化対策の有効的な措置を促進しようと、日本政府は「女性の仕事と暮らしの両立」を進めていくことを昨年11月に制定した緊急対策の中に盛り込んだ。安倍政権は「企業が意識を変え、社会全体で女性の仕事と暮らしが両立される環境を推進されていていくこと」を期待しているが、現実には、日本企業の新卒採用時には依然性差別が存在する。一方で、日本には幼稚園に入れない待機児童が2万人を超えており、働く女性の社会復帰を妨げている。安倍政権が女性の就業に大々的に取り組んでも、確実かつ効果的に女性の就業環境を改善し、真に女性の仕事と家庭の両立を実現するまでには、まだまだ厳しい課題が立ちはだかっている。
(人民網日本語版)
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