一線都市(大都市)で不動産市場の引き締めに向けて調整策が打ち出されるとのうわさが裏付けられた。上海市、深セン市は相次ぎ新たな不動産市場調整策を発表した。頭金比率を引き上げ、非戸籍者による購入規制を強化すると同時に、仲介機関への管理も強化し、レバレッジを使った不動産の購入を厳格にコントロールするとしている。
業界関係者によると、このところ一線都市で不動産価格が急騰し、投機目的で不動産を購入する行為が多くみられるなか、新たな調整策の導入でそれを抑制する狙い。今後の不動産市場政策は一方的な緩和ではなく、下支えと過熱への抑制を兼ね備えた双方向なものになる。ただ、上海、深センといった不動産価格が急上昇している地域を除き、ほかの都市で厳しい調整策が講じられることはないとみられる。
政策の重点は「レベレッジ解消」
上海と深センの調整策はともにレバレッジを使った頭金の支払いを禁止。「滬九条」と呼ばれる上海市の調整策は、不動産開発企業、仲介機関による頭金融資、つなぎ融資、セルフファイナンス、自己担保、資金プールの設立といった金融業務に従事することを厳禁。非正規金融機関による不動産取引への金融サービスの提供を取り締まる方針だ。
深センも今回の調整策で、不動産金融リスクの防止・抑制を強化すると明記している。これまでに実施されてきた頭金融資に対する検査に合わせ、今後もリスクの防止・抑制に向けて全市範囲で検査や取り締まりを継続。インターネット金融企業、少額融資企業などの金融機関が頭金融資、不動産クラウドファンディング、つなぎ融資などの金融レバレッジ業務に従事することを厳禁する。
(チャイナネット)
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