2月23日、米国の首都ワシントン、中国外交部の王毅部長(左)は米国のケリー国務長官と会談後の記者会見に出席した。
新華網ワシントン2月29日(記者/支林飛)旧歴の新年(春節)が過ぎてまもなく、中国の王毅外交部長は23日から25日にかけて米国を公式訪問し、朝鮮半島情勢や南中国海などの重大な問題について米国側と広範な協議を展開した。今回の訪問では意思疎通と理解の増進が重視され、中米関係のために「足し算」が行われた。また、今回の訪問では問題に直面し、食い違いを管理・コントロールして、米中関係のために「引き算」が行われた。
王外交部長の訪問は、朝鮮半島の緊張情勢のエスカレートや米中が南中国海問題をめぐって、食い違いが生じた際に行われたもので、高い注目を浴びていた。訪問中、王外交部長はケリー国務長官やライス国家安全保障担当大統領補佐官といった米国側高官や国会議員と、双方が非常に関心を寄せる問題について、込み入った会談と誠実な交流を行った。米国のオバマ大統領も王外交部長と会談した。
意思疎通や協議を通じて、中米双方は「共通の利益は食い違いよりもはるかに大きく、協力の深さや幅は一部の摩擦をはるかに上回る」というの二国間関係の基本面について確認し、幅広い分野で協力し続ける必要性と重要性について肯定した。双方はイラン核交渉、気候変動、シリア和談、アフガニスタン問題などで獲得した協力の成果を高く評価した。二国間の投資協定の問題において、双方は経済貿易関係を深めるために交渉の加速を推進するのを一致して主張した。そして、朝鮮の核問題で、双方は意思疎通・協調を強化し、半島の平和と安定を維持することで同意した。また、南中国海問題で、双方は食い違いが存在するが、外交手段によって紛争を平和的に解決することで同意した。
今年は習近平主席の昨年の訪米の成果を着実に実行する重要な一年になる。双方はハイレベル交流と各級別の対話を維持し、より幅広い分野の協力を引き続き展開することで合意した。王毅外交部長の訪問は、幸先の良いスタートになる。米国側は3月末と4月初めにワシントンで第4回核安全保障サミットを開催し、中国側は9月に杭州で20カ国・地域(G20)首脳会議を主催する。双方は相手国が上記重要会議を順調に開催することを支持し、両国首脳が疎通と交流を行う場をうまく用意すると表明した。
中米関係は現在、世界で最も重要で、最も多元化し、最も複雑な二国間関係の一つでもある。協力の機会を把握できなければ、対立に転化し、対立と摩擦を適切に処置できれば、協力のポイントになり得る。中米関係の発展を擁護し、推進するために、双方は「足し算」と「引き算」を上手く行う必要がある。
「足し算」とは実務的協力を拡大しなければならないことだ。世界で最も主要な経済体として、中米両国の経済と利益は深層から融合している。双方は協力してはじめて、ウィンウィンを実現できるが、互いが競い合うならば、必ず両方とも傷を負う。核不拡散から気候変動まで、中東和平からアジア・アフリカの発展まで、中米の協調と協力が求められる。未来にかけて、中米の共同の利益は、拡大するだけで、縮小することはない。協力すべき分野と協力できる分野がは拡大するだけで、縮小することはない。
「引き算」とは対立を適切に抑制することだ。最大の発展途上国と最大の先進国として、中米間の摩擦はどうしても避けられない部分もある。一方で、摩擦を直視し、緊密に疎通を図り、即時に誤解を解き、建設的に対立を抑制することができれば、小さな問題が大きな災いになるのを防止できる。
王毅外交部長の訪米は、この重要な時期に中米関係のために適切な「足し算と引き算」を行った。中米は現在、協力を必要とし、協力できる事柄も多い。これらの協力は双方の戦略的利益と一致し、国際社会の期待に沿うものでもある。このため、双方は戦略的相互信頼を増進し、実務的協力を深化し、建設的に対立を抑制し、二国間関係を新しい一年に新しく、より大きな発展を遂げるように推進する。
南中国海問題についても、中米間の紛争になるべきではなく、米国は第三者介入しないという承諾を切実に履行し、中国側への利益侵害を停止し、この中米関係の主要な障害を取り除くべきだ。中国側は米国側が中米関係の安定した発展の局面を大切にして擁護し、長期を見据え、偏見を排除し、中国側と真の意味で向き合って進み、双方が新しい大国関係を構築し、双方の新型大国関係の構築における新しい進展を遂げるように確保することを希望する。
(新華社より)
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