国家統計局が発表したデータによると、2015年の中国大陸の総人口は13億7462万人で、男性人口が7億414万人、女性人口が6億7048万人だった。総人口性別比は105.02(女性を100とした場合)で、出生人口性別比は113.51だった。男女人口差は3366万人。つまり3000万人以上の男性が「生涯独身」になるということだ。依然として結婚できない男性のリスクは大きい。一方、出生人口性別比は2009年以降、7年連続で減少している。
3000万人以上の男性が「結婚できない」状況に
どうしてこのような異常な男女比のアンバランスが生じたのだろうか。一般的に言うと、ある国において性別のアンバランスが生じるのには2つの原因がある。第一に移民であり、第二に出生性別比のバランスの崩れだ。移民の割合が少ない中国は、出生性別比のバランスの崩れが主要因となる。
正常な自然状況では、100人の女の子が生まれた場合、男の子は103~107人生まれるという。中国の出生性別比は、1980年代以前は正常の範囲内だった。1982年に107だったものが、1990年に111.3、2000年に116.9、2004年には121.18に増加した。この20年間、中国の出生性別比は常に115を上回っており、世界で最も出生性別比がアンバランスな国になっている。
性別比のアンバランスから「結婚にあぶれる」現象が顕著となる。本来は安定し、バランスのとれた結婚市場は、男性人口が数千万人多いために窮屈なものになってしまった。多くの男性があぶれ、独身を強いられることになった。
一人っ子政策の廃止で独身者増加の危機が緩和?
第18回五中全会が閉幕した後、最も反響があった政策の変更は、二人目の子供政策の全国的実施である。あるメディアは、これは出生率低下や急速な高齢化を解決させるだけでなく、男女比の著しいアンバランスがもたらす危機を緩和させると解説する。しかし、本当に解決につながるかどうかは、依然として不明だ。
誰もが知るように、他のアジア諸国同様、中国には男性を重んじ、女性を軽んじるという伝統的血統観念を持つ。これが人口性別比の不均衡を加速させている。次に、中国の老後システムが未だ完備されていないため、子が親を養う伝統的な家庭モデルが社会の主流を占めている。しかしこれらの問題以前にカギになるのは、そもそも子供を育てたいかどうかという問題だ。
二人目の子供が許可されたが、養育費コストが高すぎることから多くの家庭は二人目を生もうとは考えていない。ある専門家は、これによって増加する出生人口は最高で毎年500万~600万人と予測する。現在、1600万人前後の出生人口がある。すると年間出生人口のピーク値は2200万人前後となる。社会科学院の研究によると、中国の父母は子供を16歳まで育てるのにかかるコストは平均25万元で、1年あたり1.6万元になるという。二人目を生んだ場合、様々な経済的負担と家庭矛盾が生じることになる。特に中国の1級都市で二人目を育てるコストは想像以上に高いものとなる。
そのため、一人っ子政策の廃止が独身者増加の危機を緩和するかどうかは、やはり難しいだろう。性別の不均衡を緩和させるための道のりは長い。
(チャイナネット)
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