2016年の幕はすでに開かれている。今年の日本については、次の3点に注目が必要だ。
(一)5月26−27日に開催される伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)。日本の安倍晋三首相は先ほど、5月のサミット開幕前に主要7カ国を訪問すると発表した。パリ同時多発テロ、シリアの難民問題、イスラム国の襲撃をへて、G7が今回のサミットでどのような合意内容をまとめるかは、議長国の安倍首相の試練となる。
会期中の安全保障も、安倍首相の試練となる。2015年の年初、日本人2名がイスラム国に殺害された。これによって、日本も米国や英国と同じ、テロの対象国であることが明らかになった。日本は銃の保有を厳しく規制しているが、テロリストが銃を分解して日本に持ち込むことを阻止できない。伊勢志摩では会期中に安全保障の十分な態勢が敷かれるはずだが、広大な東京で何が起きるかは分からない。
安倍首相はサミットにより舞台の中央に立つが、少しでもミスを犯せばすべてが水の泡となる。
(二)7月の参院選。安倍首相はNHKの番組に出演した際に、「今夏の参院選で、改憲に必要な3分の2以上の議席数を占めなければならない。改憲は参院選の争点になる」と述べた。安倍首相がこのように述べるのは、初めてのことではない。安倍首相は2007年(第一次安倍内閣)の年頭会見で、「改憲は安倍内閣の主な目的であり、参院選で有権者に十分に説明する」と話していた。しかし2007年の参院選では、自民党が惨敗した。安倍首相はその後まもなく、健康上の理由から辞職を発表した。
2016年7月の参院選は、日本の重要な転換点になる。2007年の歴史が再演されれば、平和憲法の精神は確かな社会の現実となり、人々の心に浸透し揺るぎないものになるだろう。再演されなければ、日本が70年間守り続けてきた防衛政策が徹底的に変更されることを意味する。日本が戦争に巻き込まれる可能性があるばかりか、アジアと世界の平和と安定も脅かされる。
(三)日本の若き有権者。参議院で昨年6月17日、公職選挙法の改正案が可決された。投票年齢は、現行の20歳から18歳に引き下げられる。総務省の推計によると、これにより日本全国で有権者が240万人増加する。この新しい若き有権者は、今夏の参院選で人生初の一票を投じることになる。
日本の若者はこれまで、「政治に無関心」「低投票率」というレッテルを貼られていた。しかし2015年夏、国会議事堂前で抗議活動を展開した学生団体「SEALDs」は、日本社会全体の若者のイメージを変えた。他にも各地の中高生が昨年、安保関連法案の抗議デモに参加した姿が印象的だった。
昨年の安保関連法案の抗議という洗礼を浴びた日本の若者は、今年の参院選で自分の声を出すことになる。これら若き有権者は今後、安倍政権をけん制する「重要な少数派」になるかもしれない。
2016年の日本がどうなるか、今後の経過に要注目だ。(筆者:陳洋 東洋大学大学院社会学研究科博士課程在学)
(チャイナネット)
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