長野県の軽井沢で15日未明、非常に深刻な交通事故が発生した。スキー客を乗せたバスが15日午前2時頃、軽井沢で坂を下る際に道路からはみ出し、6メートル崖下に転落した。15人の死者のうち、運転手2人を除く全員が19−22歳の在学中の大学生だった。
今が盛りの若者が、未来を失った。本件は日本で大きな影響を及ぼした。15人の命が失われ、15の家庭を破壊した。国土交通省は直ちに、バス会社の調査に乗り出した。調査により、これが典型的な「日本型の人災」であることが分かった。
まず、安全の責任が何よりも重視されるべきであるにも関わらず、運転手の健康診断が実施されていなかった。朝日新聞の記事によると、国土交通省は昨年このバス会社を処罰し、運転手の健康状態を把握するよう求めていた。ところがそれからしばらくたつにも関わらず、同社の13人の運転手のうち10人が健康診断を受けていなかったというのだから驚きだ。安全の責任は、何よりも重視される。運転手の健康は、その大前提だ。バス会社は何らかの原因により運転手の健康診断を実施せず、自業自得の結果となった。
次に、日本企業は人件費を極端に削減しようとする。日本企業は不況のあおりを受け、コスト削減を続けているが、労働者が創出した価値の搾取も深刻化している。日本の圧倒的多数の企業職員は、サービス残業を行っている。このような環境に長期間置かれると、人々はストレスがたまり、うつになり、過労死の原因にもなる。
日本の警察当局の調査によると、このバス会社の多くの運転手が、基準を大幅に上回る過労の状態にある。また今回の路線の運行時間は深夜で、午前1−3時は最も眠くなる時間帯だ。高齢の2人の運転手に、十分な体力があったかが疑問視されている。運転手の過度の疲労も、事故原因の一つだ。
それから、コスト削減のため、危険なルートに変更された。このバスが走行したルートは、通常の計画とは異なっていた。事故を起こしたバスは高速道路を走る予定だったが、国道18号線を利用した。運転手はルート変更する前に会社と連絡をとり、会社側もこれを記録しなければならない。ところがバス会社の責任者は、運転手がなぜこのルートを選択したかを知らなかった。別の運転手によると、高速料金を避け18号線を選んだ可能性が高いという。
また、ツアーの往復バス運賃の法定基準は27万円だが、バス会社は19万円で旅行会社と契約していた。基準を8万円下回ったことで、バス会社は手段を選ばず、「帰らぬ道」を選んだと分析されている。
多くの要素が重なり、今回の深刻な交通事故が必然的になった。コスト削減のため従業員の健康診断を行わず、労働者を酷使し、危険なルートを選択した。この手段を選ばぬ「コスト削減」は、多くの日本企業の主な経営方針となっている。今回の事故は、「コスト削減」によって生じたとも言える。コスト削減により、企業の経営をある程度は維持できるかもしれないが、安全基準を守らなければ経営破綻に陥ることだろう。
(チャイナネット)
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