『日本新華僑報』の蒋豊編集長は、環球時報の取材に応じた際に、「日本人は、戦後70年という関門を無事乗り越えたと考えている」と述べた。一部の重大な国際会議が間もなく日本で開催されるため、日本は2016年を外交の重要な年、自国のイメージアップのチャンスとしている。しかし一部の学者は、日本が徹底的に「歴史の重荷」を下ろすというのは非現実的であり、歴史問題を現実的な負担とし、国家精神を再構築する契機としない考え方にも問題があると指摘した。
清華大学国際関係研究院の劉江永教授は「日本には、国家イメージに関する危機管理体制がある」と述べた上で、2016年の主な4つの取り組み内容を挙げた。(1)外交面で、安倍晋三首相の積極的平和主義のスローガンを掲げ続ける。(2)昨年末の慰安婦問題を巡る日韓の合意について、安倍首相は今年の国会で成果を強調する。日本は今年、慰安婦をユネスコの世界記憶遺産に登録申請しないよう韓国政府に強く働きかけ、これを外交の目標として取り組みを続ける。(3)安倍首相が昨年、安保関連法案を強行採決した際に、多くの人が街頭に出て反対の声をあげた。安倍首相は今年の正式な発効後、国内外の雰囲気作りに力を入れる。(4)今年の中日韓首脳会議は日本が主催国だ。安倍首相はこの場を利用し、関係改善を目指すというイメージを作り、国内外で芝居を打つ。彼の歴史と戦争の観点には根本的な変化はないが、いわゆる「前向きな姿勢」を示す可能性がある。
2016年には参院選と改憲の議論の影響により、日本国内のナショナリズムが政権の働きかけで濃厚になる。これが外交に反映されることで、「強く尊重される日本のイメージ」を強く求める傾向が生まれるという分析がある。ある学者は、「歴史問題について、日本国内では反省する人もいれば反省しない人もいる。ただし国際社会では、反省を表明している日本人でさえも、これは日本の恥であると感じている」と指摘した。
米ハフィントンポストは1月6日、「日本には、謝罪の立場から後退するという残念な習慣がある。1993年に慰安婦問題を巡る河野談話が発表されてから、日本の保守派はこの歴史的な合意に恣意的に攻撃を加えてきた。日本は嘘の歴史に対抗するためより努力するべきだ」と論じた。
中国社会科学院日本研究所外交室研究員補佐の盧昊氏は、「日本政府は歴史の重荷を下ろし、歴史問題を一挙に解決しようと強く願っている。慰安婦問題で、このような心理が明らかに示されている。しかしこの功利的な、歴史問題を現実的な負担とし、国家精神を再構築する契機としない考え方には問題がある。形式的な謝罪と真の反省は異なる概念だ」と述べた。
(チャイナネット)
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