両親に100回電話をするよりも、1度一緒に食事をするほうが良いだろう。SNSでどれほど会話をするよりも、一度会って握手し、ハグするほうが良いだろう。このような現象は「コミュニケーション障害」と呼ばれている。「コミュニケーション障害」に見られる一つの大きな症状は、「モーメンツではみんな親密に見えるのに、実生活の中ではほとんど会わない」と指摘する人がいる。あなたもそのような傾向はないだろうか?浙江在線が報じた。
薛さん夫婦は共に80年代生まれで、夫婦仲が良い。10年前に遠距離恋愛していた頃は、インターネットも普及しておらず、何時間も列車に乗って会っていた。ただ、今でも仲が良いものの、「一緒にベッドに寝ていても、よく微信(WeChat)で妻に『おやすみ』と言う」と薛さん。
2014年にiPhoneを購入してから、薛さんと妻は、寝る前に携帯で遊ぶようになった。夜、電気を消す前、二人は布団の中で背中を合わせて携帯で遊んでいるという。「文章やニュースを読んだり、ブログを更新したり。全て見終わり、最後に見るのが、画像と共に『おやすみ』、『いい夢見てね』などの言葉が添えられている妻の投稿。これが妻の習慣。そして、僕が『おやすみ、いい夢見てね』とメッセージを残す」と薛さん。「妻が先にそのようにメッセージを残すことももちろんあるけど」。
そして、そうする理由について、「習慣。面倒くさいというのもあるかな。おやすみの絵文字を送るほうが簡単」とし、これは小さいことかもしれないが、悲しいことでもある。元旦の時、妻とこの習慣をやめようと約束したけど、今でもやめられないでいる」と語る。
心理カウンセラー「ネット上の自分が相手に見てもらいたい自分」
寧波のカウンセリングセンターの虞蓉蓉・センター長は「心理学的に言うと、主な原因は、ネット上の自分が、相手に見てもらいたい自分であり、自分がなりたいと思っている自分であること。例えば、短気な人でも、ネット上なら冷静な人を装える。また、見た目がそれほどいいというわけではい女性は、うまく撮れた自撮り画像をアップするのが好き」と分析する。
また、「ネット上で築いた自分のイメージに『恋』し、そのイメージを守るために多くの時間と精力を費やす人もいる。そして、そのイメージを好む人とコミュニケーションをする。そのイメージと現実のイメージのギャップが大きいことやネット上の評価との差が大きいため、実際に会ってコミュニケーションをすることを避ける人が増加している」。
SNSで「愛してる」と言うほうが簡単
虞センター長は、「その他の原因として、手間が省けるという点も挙げられる。薛さんのように、微信なら、4文字打つか絵文字を送るだけで妻に『おやすみ』と言える。実際に口に出して言うとしたら、振り返り、妻を抱きよせ、目を見ながら心をこめて言わなければならない。絵文字を送れば、多くの手間が省ける。実際には、コミュニケーションをするには力が必要。長く続けるうちに、力を消耗する現実のコミュニケーションより、ネット上のコミュニケーションをするのほうに偏っていく人が出てくるというのも理由の一つだろう」と指摘する。
(人民網日本語版)
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