中国企業によるアフリカへの投資協力が熱を帯びている。「中国・アフリカ協力フォーラム」(FOCAC)が設立されてから10数年、中国政府のアフリカへの援助が年々拡大している。これとともに、中国企業とアフリカの投資協力も急速に拡大しており、アフリカは中国企業の新たな海外投資先として存在感を確立している。
中国企業のアフリカへの投資協力は、投資分野や投資家が多様化しているうえ、新たな提携モデルも次々に創出されている。
中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所が先ごろ発表した「アフリカ発展報告(2014~15)」によると、2013年末時点での中国からの対アフリカ直接投資残高の上位5分野は、鉱山開発、建築、金融、製造、科学技術だったが、この5分野で対アフリカ直接投資残高全体の85%を占めた。
◆多くの中国メーカーがアフリカ大陸へ進出
家電大手の海信集団は南アフリカで2013年、アフリカ最大の家電工場を建設した。工場の総面積は10万平方メートル、年間生産能力はテレビと冷蔵庫がそれぞれ40万台ずつ。2年以上に渡り経営の現地化を進めた結果、海信集団は南アフリカで地元の有名ブランドとしての地位を確立した。市場調査会社GFKのリポートによると、海信集団の2014年の冷蔵庫とテレビの販売台数は南アフリカ市場で第2位にランクインした。
エチオピアの東方工業団地には、靴製造、自動車組み立て、セメントなど複数の中国メーカーが進出している。2012年にエチオピアに進出した華堅鞋業は今や現地最大の靴メーカーとなった。2000名の現地従業員を雇用し、皮革加工・運輸・物流・農場など複数の分野で現地の成長をリードしている。
◆サービス業が対アフリカ投資の新たな焦点に
華為はアフリカで事業展開を始めてから15年以上が経過、中興通訊も長年に渡ってアフリカ事業を推進。両社は現地の通信キャリア大手のほか、政府や業界関係者と広く提携関係を築いている。IT産業の小規模企業にも運営や技術に関する研修機会を提供し、現地での人材育成を進め、IT関連の産業チェーン全体の発展をリードしている。
クラウド・コンピューティングやビッグデーターで知られる中国IT大手の浪潮集団は、ITソリューションとクラウドのコア製品がアフリカで広く普及している。南アフリカ、タンザニア、ジンバブエ、チュニジア、ナイジェリアなど複数の政府が同社の技術や製品を採用し、分野は教育、医療、税務、企業など多岐に渡る。同社がアフリカで初めて建設したケニアのPC工場は、ケニアの情報化水準の向上と経済発展に大きく寄与した。
このほか、対アフリカ投資を行う企業全体で民営企業と中小企業の占める割合がすでに70%を越え、対アフリカ投資の新たな力となっている。多くの民営企業が参入することで、飲食、小売り、ホテル、医薬、紡織、機械などの分野に民間資本が流入し、中国企業による対アフリカ投資の拡大につながっている。
(チャイナネット)
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