2015年11月26日、成都商報によると、中国四川省成都市で「車内にスリがいます」と注意を促した路線バスの運転手に、ネットユーザーから称賛の声が集まっている。
その場に居合わせたネットユーザーによると、24日午前8時過ぎ、市内を走る路線バスの運転手が乗客に向けて「車内にスリがいます。かばんをしっかり押さえてくださいね。スリは2人。背の高い男と背の低い女です」と呼びかけた。これを聞いた乗客たちは、一様に警戒心を強め、かばんをしっかりと持ち直したという。これでチャンスを失ったスリはバスを降りるかと思いきや、その後の停留所では誰も降りなかった。そして、ある停留所で何人かの乗客が乗ってきたとき、運転手は「また2人乗ってきました。車内にはスリが4人います」と注意を呼びかけた。
運転手の唐(タン)さんは、「乗客の身体の安全だけでなく、財産の安全も守るのが仕事ですから」と話した。スリをどのように見分けるのかについては、「何人かは顔がわかっています。怪しいだけの人もいますけどね」と話す。高齢の乗客にぴったりとくっつくなど、怪しい行動があれば経験からスリだとわかるそうだ。唐さんは「誰だと特定はしませんし、乗客の皆さんへの単なる注意喚起です。皆さんが注意してくだされば、スリも手は出せません」と話す。スリの方も唐さんを知っているようで、バスに乗り込もうとしたスリが、唐さんに気付いて急に乗るのをやめ、バス停から中指を立ててきたこともあったという。「報復されるのが怖くないのですか?」と聞かれると、「彼らは金目当てですから、必要以上のことはしませんよ」と話した。
これを受け、ネットユーザーからは「カッコいいぜ」「こういう親切な心は、みんなが学ぶべき手本だ」「私、このバスに乗ったことがある。彼の言葉を聞いて、拍手を送りたくなった。ありがとう」「スリの顔を覚えているバスの運転手は結構いるけど、教えてくれる人はいないよ。乗客たちはこの勇気ある運転手さんを守ってあげるべきだ」といった称賛の声が相次いだ。
(新華網日本語)
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