中国科学院チベット高原所は18日、中国と外国の科学者の共同研究による初のチベット高原全面的科学評価報告書を発表しました。
この報告書は気候や水系、生態システム、陸面環境、人間活動の影響、災害リスクが関わる温度や降水、氷河、積雪、湖など26項目の指標を使って、チベット高原の2000年前から100年後までの環境変化を総合的に評価し、チベット高原の生態系が全体的に好転しているということです。
中国科学院地理科学と資源研究所の張憲洲研究員は、「地球温暖化と人間活動の拡大による影響を受けながら、チベット高原の生態系は効果的に保護されている」と述べました。
チベット高原に生息する野生モクの数は、2003年にわずか1万5000頭でしたが、現在、約4万頭に増えました。また、今世紀初頭と比べて、チベットカモシカの数も8万頭から15万頭に増えました。
また、高原での人間活動の拡大については、中国科学院チベット高原所の徐柏青研究員は、「マイナスな影響もあるし、積極的な影響もある」とし、「交通や観光、鉱産開発、都市の発展などにより、一部地域の環境にマイナスな影響を及ぼしている。しかし、チベット高原のほとんどの地域ではクリーンエネルギーを利用しているため、相変わらず世界で最もクリーンな地域の一つだ」と話しました。
報告書は、環境保護とグリーン経済を統合する科学的理念の確立やグリーン経済を中核とした社会発展指数の作成、環境保護と開発における政府の統合 協調の役割強化などの提言を行っています。
(中国国際放送局)
推薦記事: