中国・日本・韓国の第6回首脳会議がこのほど、韓国の首都ソウルで終了した。3カ国首脳は同期間、二国間・多国間の会議を開催し、中日韓協力に対する回顧と展望を行い、地域・国際問題についての見方を交換した。
韓国メディアなどは、日本と韓国の間には歴史などの問題で巨大な意見の差が存在するため、韓日関係がこの会議で急速に強まることはないだろうと報道している。
韓国紙「中央日報」は、3年半ぶりに開かれた韓日首脳会談では両国の立場の違いが再び確認され、成功半ばで終わることとなったとしている。
同紙は、日韓関係が全面的に強まるのが難しい理由を次のように分析している。今回の会談は、朴槿恵大統領と日本の安倍晋三首相との間の初の正式な首脳会談だが、両国は過去の歴史問題、とりわけ慰安婦問題で大きな意見の差を抱えており、突破口をなかなか見つけられずにいる。首脳会談後に本来あるべき共同声明と共同記者会見がなかったどころか、昼食や夕食の活動も省かれた。
朴槿恵大統領は会談が始まったばかりの段階で安倍首相に対し、「今日のサミットが歴史の痛みを和らげるものとなることを望む」と語り、「慰安婦」問題が韓日関係を深めるにあたっての「最大の障害」となっており、双方は「我が国の民衆が受け入れられる解決法を早期に見つけなければならない」との認識を示した。
「慰安婦」問題に関して安倍首相は、「未来世代に障害を残すことはあってはならない」と述べた。安倍首相はこれについてさらなる解釈は行わなかったが、約1時間40分の会談で、安倍首相は、日本が第2次大戦中にアジアの諸国と人民に対して犯した罪について謝罪はしなかった。
安倍首相はこれまで、日韓首脳の単独会談を度々提議してきたが、いずれも拒否されてきた。朴槿恵大統領は2013年2月の就任以来、「慰安婦」問題について日本に対する強硬な態度を続けてきた。これまでの多国間会議では、朴槿恵大統領は安倍首相と会って握手をしても笑顔を見せることはなかった。今回の安倍首相の訪韓で、双方は握手の際にやっと笑顔を見せた。
近年、「慰安婦」問題は日韓関係がなかなか越えることのできない障害となってきた。2007年時点で韓国には約120人の「慰安婦」がいたが、今は50人足らずしか残っておらず、平均年齢は約90歳に達している。
歴史学者の統計によると、第2次大戦中、日本は朝鮮半島で約20万人の女性を強制徴用して日本軍の「慰安婦」とした。韓国は日本に対して「慰安婦」被害者への謝罪と賠償を求めてきたが、日本は、1965年の両国関係正常化の「韓日請求権協定」においてこの問題は解決しているとの立場を崩していない。
こうした様々な状況は、韓日両国間の経済には大きな相互補完性があり、大きな発展の見込みがあるものの、両国は政府レベルでも庶民レベルでも解きがたいわだかまりがあり、今後の交流も順風満帆とはいかないことを示している。
(チャイナネット)
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