(2015年10月30日)
【新華社北京11月2日】フィリピン共和国の一方側の要請に応じて設立した南中国海仲裁案件の仲裁廷が2015年10月29日に、管轄権と受理可能性の問題について下した裁決(以下、「仲裁裁判」という)は無効で、中国に対しいかなる拘束力もない。
一、中国は南中国海諸島及びその付近の海域で争う余地のない主権を保有している。中国の南中国海での主権と関係権利は長期的な歴史の過程で形成され、歴代中国政府が長期的に堅持し、中国の国内法で何度も確認され、『国連海洋法条約』を含む国際法で保護されている。領土主権と海洋権益の問題において、中国は中国に強制するいかなる方案も受け入れず、第三者機関に一方的に訴えた紛争解決弁法も受け入れない。
二、フィリピンが『条約』を乱用して紛争解決メカニズムを強制し、南中国海仲裁裁判を一方的に提起し、執拗に推進することは、法律を建前とした政治的挑発だ。実質的に、紛争を解決するためではなく、中国の南中国海における領土主権と海洋権益を否定する意図がある。2014年12月7日、中国の外交部が権限を得て発表した『中華人民共和国政府のフィリピン共和国が提起する南海仲裁案管轄権問題の立場に関する文書』において、中国政府は仲裁裁判のフィリピンが提示した仲裁に明確な管轄権がないことを指摘し、中国が仲裁案を受け入れず、それに参加しない法理的依拠について説明した。この立場は明白かつ明確で、変更することはない。
四、フィリピンと仲裁裁判は、仲裁案の本質が領土主権と海洋境界画定及びその関連問題であることを無視し、中国が2006年に『条約』第298条の関係規定に基づき発表した排除性声明を悪意に回避した。フィリピンと仲裁裁判はまた、中国とフィリピンの双方が交渉と協議を通じて紛争を解決するという共通認識を否定し、手順を乱用して仲裁を強制的に推進した行為は、中国の『条約』締約国としての合法的権利を厳重に侵害し、『条約』の趣旨と目的に完全に違反し、『条約』の完全性と権威性を損なわせた。『条約』の締約国である中国は『条約』を乱用し、紛争解決メカニズムを強制する行為に断固として反対し、各国が共同で努力し、『条約』の完全性と権威性を維持するように呼びかけている。
五、フィリピンが仲裁を通じて、中国の南中国海における領土主権と海洋権益を否定しようとする画策はいかなる効果もない。中国はフィリピンが自らの承諾を遵守し、中国が国際法に照らして保有する権利を尊重し、従来の姿勢を改め、交渉と協議を経て南中国海の関係紛争を解決する正しい路線に戻るように勧告する。
(新華網日本語)
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