【新華社北京4月10日】30万人の中国の軍人と民間人が殺戮された南京大虐殺を「南京事件」と記述している。旧日本軍が「多数の捕虜と住民を殺害した」のを「捕虜と住民に波及し、多数の死傷者が出た」に改めている。「旧日本軍の暴行は非難された」という記述が削除されている。
日本の文部科学省が今年、検定した一部の中学校教科書の敏感な歴史問題に関する記述の変化は再び世の人々に警戒心を抱かせた。
今年は中国人民抗日戦争並びに世界反ファシズム戦争勝利70周年にあたり、日本の歴史問題に関するいかなる言動に対しても、その侵略の被害を受けたアジアの隣国と世界の平和を愛する人々が高い関心を寄せていることを忘れるべきではない。
今年のように節目となる重要な年に、一部の教科書は歴史認識問題の記述で進歩がないばかりか、かえって逆戻りしている。日本政府のこのようなやり方は、良識に反するだけでなく、最近の中日韓外相会議で合意した歴史を直視する承諾に背くものでもある。
日本の歴史教科書問題における逆行は韓国政府から強い非難を浴びている。韓国政府は6日、声明を発表し、日本政府が歪曲した歴史観とその歴史観に基づく領土観で次世代を教育することは、歴史の過ちを繰り返すことにほかならないと指摘した。
大多数のまだ独立した思考能力が備わっていない中学生に歪曲した歴史を注ぎ込むことによって、どんな結果になるんだろうか。
日本の『読売新聞』が最近、実施した調査で次のことが明らかになった。日本が発動した侵略戦争と太平洋戦争について、わずか5%が「よく知っている」と答え、44%は「一部しか知らない」と答えた。49%が「知らない」、又は「全く知らない」と答えている。この調査でまた、学校教育と教科書は回答者が戦争の真相を理解する主な経路であることが示された。
歴史を歪曲する教育方式のもとで、日本はどんな未来を歩むのかという疑問を禁じえない。
中日両国は近隣にあたる。中国は一つの民族に侵略戦争を起こした少数の軍国主義分子がいるためにその民族を仇視するようなことはなく、戦争の罪は少数の軍国主義分子にあるのであって人民にあるのではない。しかし、侵略者の犯した深刻な罪は忘れられるべきではなく、さらには覆い隠されることはできない。
長い目で見ると、中日関係の長期的かつ安定した健全な発展の維持は中日両国と両国人民の根本的な利益に一致する。しかし、日本側が歴史正視を基礎とすることで、中日両国にはようやく明るい未来を切り開く可能性がもてるのだ。
日本が過去の侵略史実や植民地支配にいかに対応するかは、日本自身の発展及びそれが置かれた国際環境に対しても深刻な影響が生じるだろう。中日韓外交長官会議が三年もの長きにわたって中断されていた主な原因は歴史問題による妨害を受けたことにある。日本側にすべての言行不一致な拙劣なやり口をやめ、侵略の歴史を正視し反省する承諾を着実に履行し、実際の行動で隣国との関係を改善するために努力するようお勧めする。
(新華網日本語)
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