亡くなった人の機能良好な臓器や組織を、移植の必要な患者に提供することは、患者の生命を助けるための重要な方法である。先ごろ行われた「中国臓器獲得組織連盟大会および国際臓器提供フォーラム」によると、この6年で中国の臓器提供率は100倍に増加した。一方、臓器の出所に問題を抱えていることが、人体臓器移植の発展のボトルネックになっているという。
現在、市民が進んで寄付した臓器を移植することが、唯一の合法的な臓器の出所となっている。データによると、現在中国の臓器提供数はアジア諸国で首位。寄付率は100万人あたり2人前後で、2010年と比較して100倍の増加となっている。しかし現在、中国で必要されている移植臓器は依然として足りていない。中国臓器移植発展基金会の副秘書長である荘一強氏によると、伝統観念の影響から多くの人が親族や自分の遺体を提供することに抵抗感があるためだと指摘する。また、中国の臓器提供と臓器移植の過程が不透明であり、自分が提供した臓器が公平で合理的に使用されるのかを心配していることも要因として挙げている。
データによると、中国では毎年、臓器を患った30万人の患者が臓器移植を待っている。しかし移植手術ができるのはわずか1万人あまりに過ぎない。
同仁病院の角膜病科の主任で、同仁アイバンクの主任である藩志強氏は「提供数の増加は患者の増加に追い付いていない。その差は開くばかりだ」と述べる。同氏によると、角膜の病気で視力を失った多数の患者は、角膜移植手術で視力を回復できるという。しかし提供者が不足しているため、移植手術を受けられる患者は毎年わずか5千例に留まる。これは求められている数の10%に過ぎない。提供臓器の不足から治療が遅れ、眼球摘出をせざるを得ない患者も少なくない。
では、普通の市民はどうすれば臓器提供の志願者になれるのだろうか。取材によると、身分証を持って「中国人体臓器寄付センター」または近くの「省級人体臓器寄付管理センター」、「人体臓器寄付弁公室」へ行き、志願申込書に記入すれば、臓器提供の志願者になることができる。この申込書は法律的効力を持つ。志願者は自分の番号を持ち、提供時の照会に使うことができる。
(チャイナネット)
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