経済減速が「中国経済懐疑派」を勢いづかせている。しかし、情報が多くなるにつれて理性的な声も増え始めている。米NBCは先日、中国経済のパフォーマンスは依然として他のどの国より良好であり、「中国に構造改革はない」という見方が誤りであると発表した。その直前にも、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会がレポートを発表し、2015年の中国経済は7%の成長を実現させ、世界経済に対する貢献は7000億ドルに達し、それはGDP成長率が14.7%だった2007年を上回ることを予測している。専門家は、一連の主体的な改革によって中国経済のモデルチェンジが奏功しつつあり、経済成長だけでなく世界経済への貢献も大きくなっていることは疑いないと述べる。
今年に入り、「調整」という言葉は疑いなく中国経済のキーワードの1つとなっている。国家統計局は先日、最新の工業生産データを発表した。8月、ハイテク製造業の生産は前年比で10.5%増加し、前月比では0.9%の増加だった。これは「一定以上規模の工業生産」の4.4%増を上回る。それだけでなく投資構造の改善も目をひく。1~8月、高エネルギー消費の製造業に対する投資は2.1%増で、前製造業の増加率である6.8%より低い。さらに分かりやすい対比として、ハイテク技術産業への投資は1兆9569億元と前年同期比で16%増加したが、これは全分野での投資増加率より5.1%上回っている。
中国の世界経済への貢献が、成長率15.2%の時代より7%の現在のほうが大きいのはなぜだろうか。専門家は、数と質の2つの要因があるとしている。
「分かりやすい原因として、中国経済成長の基準数値が過去より大きくなっていることが挙げられる。また2007年の金融危機以前のことを振り返ると、世界の主要経済体は良好だった。現在、欧州や日本など先進国経済体の回復力に乏しく、新興諸国も減速し出している。つまり諸国の減速によって、世界経済で中国の経済成長は存在感を増している。世界に対する中国の貢献率が相対的に高まったのだ」と、中国国際経済交流センター経済研究部の副研究員である劉向東氏は指摘する。
大連理工大学管理経済学部教授の劉鳳朝氏は取材に対し、GDP成長率という指標は広く使われているが、世界経済発展に対する国家の貢献を真に測るためには、マクロ的なGDPの数値だけに注目するべきでなないと指摘する。同氏によると、アメリカの世界経済に対する貢献は「技術提供」という分野が核となっている。中国も今後はそうなっていくとの見方を示す。
リスク管理やポテンシャルの解放によって作り出される力に関し多くの専門家は、「一帯一路」戦略の推進と「大衆による起業とイノベーション」というブームが、中国経済において無視できない大きなエンジンとなると認識している。
(チャイナネット)
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