中国国家外為管理局(外為局)総合司の王允司長は17日、記者会見において、「クロスボーダー外貨決済試行業務の規模は、ほぼ形成された」と述べた。
外為局は今年1月、決済機関によるクロスボーダー外貨決済業務の試行を全国規模で推し進め、業務対象範囲の制限をいっそう緩和し、オンライン海外通販による1回の購入限度額を5万ドル(約600万円)に引き上げ、試行決済機関の審査権限を下部組織に委譲した。今年8月末の時点で、全国で26の決済機関がクロスボーダー外貨決済業務試行に参与しており、クロスボーダー外貨決済収支額は累計51億9千万ドル(約6200億円)、為替決済 為替売買額は52億6千万ドル(約6300億円)に、それぞれ達した。今年1月から8月までのクロスボーダー外貨決済試行業務の収支総額は、試行がスタートした2013年以来の累計収支総額の67%を占め、2014年通年のクロスボーダー外貨決済収支総額の2.2倍に相当する。
今年6月、直接外貨投資に関する登記業務の銀行への権限委譲および外商投資企業の資本金自由元転業務などの外貨改革措置の実施が、全国規模で正式にスタートした。外為局総合司の王允司長は、「資本金自由元転政策の実施によって、為替変動リスクを自主的に回避できる選択肢が企業に与えられた。企業の立場から言えば、直接外貨投資に関する登記業務の銀行への権限委譲によって、手続きが大幅に簡素化され、企業は、外為局と銀行との間を何度も往復する手間によるコストが格段に軽減できた。この措置により、企業の海外投資にさらなる利便性がもたらされ、実態経済の発展を支持することになる」と述べた。
このほか、個人の外貨分割購入に対する監督管理を強化することについて、外為局経常項目管理司の杜鵬司長は、「偽ることなく、合理的かつ合法的に、常識の範囲内で外貨を使用するという個人のニーズに対して、外為局はそれを完全に保証するが、簡素化という点では特にハードルを下げることはない。外為局は終始一貫して、分割購入に対する管理徹底を強調してきた。銀行は、業務プロセスにおいて、個人が他人の限度額を利用して外貨の分割取引を行おうとするのを見つけた場合、法律法規に依拠してただちに手続きを拒否することが定められている。外為局も、法に基づきそのような違法行為を調査 処分する責任を負っている」とコメントした。