日本の政権与党は19日、参議院本会議で安保法案を強行採決し、可決しました。これは安倍政権が国内の民意を顧みず、平和憲法を踏みにじったもので、地域の安全にも脅威をもたらすとして、日本国内や国際社会から猛烈に批判されています。
「朝日新聞」は社説で、「内閣の行き過ぎを止める責任は与党にもある」と指摘し、「一括法案の中核にあるのは、違憲の疑いを指摘されてきた集団的自衛権の行使容認である。個々の改正点が政策的に妥当であるかを検討する前に、まず、憲法に適合しているのか判断すべきであることは当たり前だ」と強調しました。そのうえで、「選挙で多数を得たからといって、何をしてもいいわけではない。それは民主主義のはき違えであり、立憲主義への挑戦にほかならない」、「一連の経緯は国会への信頼も傷つけた。この法制を正すことでしか、国会は失った信用を取り戻すことはできまい」と批判しています。
「毎日新聞」も社説で、「憲法は国民を縛るものではなく、権力側を制限し、その独裁と暴走を防ぐためにあるというのが立憲主義の基本的な考え方である」、「来年夏には参院選がある。今回、首相や与党が成立を急いだのは、参院選の直近まで審議が続いて選挙戦に影響するのを避けたかったからでもある」と指摘しました。
「東京新聞」は社説の中で、戦後70年という特別な年に、安倍政権が安保法案を強行採決したことは民意を顧みず、日本憲政史上に大きな汚点を残したと批判しました。
一方、中国外務省の洪磊報道官はこのほどの記者会見で、「これは戦後日本の軍事安全保障分野における未曾有の行動である。日本が歴史の教訓をくみ取り、日本国内と国際社会の正義の呼びかけに耳を傾け、軍事安全保障分野において、慎重に行動してほしい」と話しました。
韓国与党セリヌ党の報道官も「安倍政権がアジアでの覇権を狙う企てを暴露し、8割以上の国民が反対しているにもかかわらず、安保法案が強行採決されたことは北東アジア諸国にとって、日本軍国主義の復活に懸念せざるを得ない」と述べました。
韓国最大野党の新政治民主連合の報道官も「強い日本を再建するという歪んだ覇権主義の野望に導かれ、戦後日本の平和憲法はとうとう崩れ、日本の良識も踏みにじられてしまった」と安保法案の強行採決を批判しました。
このほか、カンボジア、インドネシア、シンガポール、オーストラリア、ブラジルなどの政府関係者やメディアも連日、日本の安保法案の可決を非難しています。
(中国国際放送局)
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