後藤さんの解放条件が身代金から人質交換に変更した後、「イスラム国」はヨルダン、日本及びその背後にある米国に向けて、ボールを蹴った。ヨルダンと米国はリビア、アフガニスタンで、当地の武装組織と人質を交換した実例がある。米国ブルッキングス研究所のブルース·ラドール研究員の説明を用いると、「人質交換条件」は 身代金請求よりも「現実的」で、米国も過度に妨害できなくなる。
日本メディアの報道によると、ヨルダン空軍パイロットは昨年12月に「イスラム国」の捕虜になった後、ヨルダンは相手側と一貫して水面下で接触してきた。ヨルダン国内の民意を考慮すると、ヨルダンが日本人人質を救うためにサジダ・ リシャウィ死刑囚というカードを手放すことは不可能と言える。ヨルダンのアブドッラー2世国王は26日、国内の有力メディアの編集長と対談を行った際に、ヨルダンにとって、捕虜空軍パイロットの解放が「最優先課題」だと公に表明した。この発言が国内世論を配慮したものであることは明白だ。
しかし人質交換へ通じる道では、ヨルダンは少なくとも2つの障害に直面している。一つは米国の主導として「イスラム国」同盟構成国を打撃するには、「イスラム国」との取引には恐らく米国の事前認可あるいは黙認が必要となること。二つはサジダ・ リシャウィ死刑囚の参与したテロ事件の被害者や多くのヨルダン民衆がテロリストの釈放に反対していること。それ以外にも、女死刑囚を釈放して先例を開けば、ヨルダン国民はより多くの拉致の脅威に直面する可能性がある。
安倍政権は同様に二つの困難に直面している。日本とヨルダンとの関係は親密だが、人質を交替するかどうかはヨルダンの内政で、ヨルダン政府にかかっている。現在、日本・中山泰秀外務副大臣が指揮をとり、在ヨルダン日本大使館との意思疎通や調整についての件を担当している。日本・菅義偉内閣官房長官は27日、日本はヨルダンをはじめとする関連諸国と協力を強化し、できるだけ早く後藤さんを救い出せるよう努めてゆくと表明している。
日本・岸田文雄外相は同日、米国のケリー国務長官とも電話で会談し、人質事件について協議したという。
しかし、米国務院の報道官は26日、米国は人質の交換と身代金の支払いはいずれも「テロリスト」への譲歩だとみなしていると表明しており、これは米国が人質交換案に対して保留や消極的な態度をもっていることを示している。
『日本経済新聞』は、「イスラム国」はヨルダンなどの国を今回の人質事件に巻き込み、事態をより複雑なものとさせており、そのうちの一つの目的は反「イスラム国」同盟を分化させるためでもあると指摘する。
(新華網日本語)
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